海外ジャーナルクラブ
1ヶ月前

Fuらは、 スウェーデン・ストックホルムで実測糸球体濾過量 (mGFR)測定を受けた成人6,174例を対象に、 イオヘキソール血漿クリアランスによるmGFRと死亡および腎不全リスクとの関連について後ろ向き観察コホート研究で検討した。 その結果、mGFR60mL/min/1.73m²は、 mGFR90mL/min/1.73m²と比べて全死亡および腎代替療法を要する腎不全の発生率の上昇に関連することが示され、 現行のCKD診断に用いられている糸球体濾過量 (GFR) 60mL/min/1.73 m²という閾値の妥当性が支持された。 研究結果はJAMAに発表された。
本研究の対象は担当医の判断でmGFR測定を受けた患者に限られているため、 mGFR測定を受けていない患者への一般化には限界があります。
eGFRの低下は死亡や腎・心血管イベントの発生率上昇と関連することが知られている。 一方、 mGFRと臨床アウトカムとの関連は明らかになっていない。本研究は、 mGFRと有害な臨床アウトカムとの関連を定量化し、 eGFRと有害な臨床アウトカムとの関連と比較することを目的に実施された。
2011年1月1日~2021年12月31日にスウェーデン・ストックホルムの成人6,174例を研究に組み入れた。 mGFRはイオヘキソール静脈内投与後の血漿クリアランスに基づき測定した(主要な独立変数)。 eGFRは血漿クレアチニン (eGFRcr)、 シスタチンC (eGFRcys)、 血漿クレアチニンとシスタチンCの組み合わせ (eGFRcr-cys) からCKD-EPI式を用いて算出した*。
主要評価項目は全死亡と腎代替療法を要する腎不全の2項目とした。 各GFR指標とアウトカムの関連は、 年齢、 性別、 BMI、 既往歴、 併用薬、 尿中アルブミン/クレアチニン比 (UACR) で調整したハザード比 (HR) を用いて評価した。
対象者の年齢中央値は59歳(IQR 43-69)で、 このうち3,686例(60%)が男性、 2,488例(40%)が女性であった。 追跡期間中央値は5.9年 (IQR 3.0-8.8年) で、 追跡期間中に1,977例 (32%) が死亡し、 426例(6.9%)が腎代替療法を要する腎不全に至った。
解析の結果、 ベースラインのmGFRが90mL/min/1.73 m²の場合と比べて、 mGFR60mL/min/1.73m²では全死亡の発生率が高く(27.6 vs 22.4/1,000人年、 HR 1.21、 95%CI 1.14-1.28)、 腎代替療法を要する腎不全の発生率も高かった (1.2 vs 0.4/1,000人年、 HR 2.85、 95%CI 2.06-3.94)。
全死亡との関連について、 eGFRcr-cysに基づく関連はmGFRに基づく関連との間に有意差を認めなかった (mGFR60mL/min/1.73 m²の場合のHR比 [RHR] 1.03、 95%CI 0.96-1.10)。 一方、 eGFRcrはmGFRに基づく関連を過小評価し (RHR 0.87、 95%CI 0.79-0.95)、 eGFRcysは過大評価した (RHR 1.17、 95%CI 1.08-1.27)。
著者らは、 「スウェーデンの成人において、 mGFR60mL/min/1.73m²はmGFR90mL/min/1.73 m²と比べて全死亡および腎不全の発生率の上昇と関連し、 CKDを定義する現行のGFR閾値(GFR60mL/min/1.73m²)の妥当性を支持する結果が得られた。 mGFRと死亡との関連を最も良好に反映しているのはeGFRcr-cysであった一方、 eGFRcrは過小評価し、 eGFRcysは過大評価することが明らかになった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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