寄稿ライター
11ヶ月前
初めまして、 コアライ ミナトです。 急性期病院で勤務医をしているかたわら、 医局や医師の働き方について深堀りするブログを書いています。 今回から連載 「医局ウォッチャーのつぶやき」 を始めさせていただきますので、 どうぞよろしくお願いいたします。
初回のテーマは 「医局に入る割合の変化」 です。 「医局に入らない若手が増えている」 「医局制度は衰退している」 と言われることが多いですが、 これらは真実なのでしょうか。 データを基に考察していきます。
まずは厚生労働省が行っている臨床研修修了者アンケートの結果から見てみましょう。
データのある過去8年間をみると、医局への入局者は減っていません。 「わからない」 と回答した人の半分が後に入局すると仮定すれば、 約8割が医局に入ることが推定されます。
このアンケートは、 初期研修修了直前に約8000人に配布され、 約7000人が回答しているため、 現実を反映した結果と言えるでしょう。
「意外と保守的な若手が多い」 「医局のスカウトがうまくいっている」などの理由も考えられますが、
基幹病院での医局の影響力が、 依然として大きい
ことが最大の理由でしょう。 若手が修行をしたい病院の大半が、 医局の関連病院となっているわけですね。
最近では「新専門医制度・シーリングによって、 医局が復権している」という声すら聞こえてきます。 先ほどのアンケート結果でも、 新専門医制度の開始以降、 入局者が増えているようにもみえます。
地域や科によっては、 こういった声もあながち間違いではないかもしれませんね。
「医局に入る割合は下がっていない」という事実は、 個人的にはかなり意外でしたが、 いかがでしょうか。 医局は今も昔も、 ほとんどの若手にとって重要な修行の場として存在しているわけですね。
僕自身は医局を辞めた立場ですし、 医局外にも良い修行の場があることは知っています。 ただ、 転職関連企業やインフルエンサーによる「医局に入らない若手が増えている」 「医局外のキャリアが当たり前になった」 といったトークには注意が必要かもしれません。
情報を鵜呑みにせず、 客観的なデータや実際の状況を踏まえた上で判断することが重要です。
今後も医局や医師の働き方について、 様々な角度から考察していきたいと思いますので、 引き続きご覧いただければ幸いです。
>>著者が運営するブログはコチラ: 「勤務医のマーチ」
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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