HOKUTO編集部
26日前
早期トリプルネガティブ乳癌 (TNBC) 患者における抗PD-1抗体ペムブロリズマブ+化学療法による術前療法およびペムブロリズマブ術後投与の有効性について、 術前化学療法単独を対照に検証した第Ⅲ相プラセボ対照二重盲検無作為化比較試験KEYNOTE-522のOS最終解析結果より、 OSが有意に改善し、 死亡リスクが34%低減した。 英・Queen Mary University LondonのPeter Schmid氏が発表した。同詳細はN Engl J Med. 2024年9月15日オンライン版に同時掲載された。
KEYNOTE-522試験では2つの主要評価項目である病理学的完全奏効 (pCR率) と無イベント生存期間 (EFS) を有意に改善したことが既に報告されている¹⁾²⁾。
また同試験の結果に基づき、 術前ペムブロリズマブ+化学療法と術後ペムブロリズマブ単剤療法の治療レジメンは既に承認されている。
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今回は、 追跡期間中央値75.1ヵ月 (データカットオフ : 2024年3月22日) におけるOS最終解析結果が報告された。
イベント発生数
ペムブロリズマブ群で115件 (14.7%)、 プラセボ群で85件 (21.8%) だった。
5年OS率
ペムブロリズマブ群が86.6% (95%CI 84.0-88.8%)、 プラセボ群が81.7% (同77.5-85.2%) だった (HR 0.66 [95%CI 0.50-0.87]、 p=0.00150)。 OSのハザード比 (HR) が事前に規定された有意水準 (0.00503) を満たしていたことから、 ペムブロリズマブ群の有意な改善が証明された。
術前・術後ペムブロリズマブ投与によるOS改善効果は、 PD-L1発現やリンパ節の状態等によって事前に規定されたサブグループ全体で概ね一致して認められた。
pCR達成別の5年OS率pCRの達成別に5年OS率を評価した結果、 pCRが得られた患者の5年OS率はペムブロリズマブ群が95.1%、 プラセボ群が94.4%だった (HR 0.69 [95%CI 0.38-1.26] )。
一方、 pCRが得られなかった患者の5年OS率はペムブロリズマブ群が71.8%、 プラセボ群が65.7%だった (HR 0.76 [95%CI 0.56-1.05] )。
アップデートされたEFS*の結果、 EFSイベントはペムブロリズマブ群で159件 (20.3%)、 プラセボ群で114件 (29.2%) に発生した。
36ヵ月時EFS率はペムブロリズマブ群が84.6%、 プラセボ群が76.4%だった。 60ヵ月時EFS率は、 それぞれ81.2%、 72.2%だった (HR 0.65 [95%CI 0.51-0.83] )。
Grade3以上の治療関連AE(TRAE)発現率は、 ペムブロリズマブ群が77.1%、 プラセボ群が73.3%だった。 治療中止に至ったTRAE発現率はそれぞれ、 27.6%、 14.1%だった。
また、 Grade3以上の免疫介在性AE(imAE)はそれぞれ13.0%、 1.5%に発現し、 治療中止に至ったimAEはそれぞれ7.7%、 1.0%に認められた。
Schmid氏は 「高リスクの早期TNBCにおいて、 抗PD-1抗体ペムブロリズマブ+化学療法による術前療法およびペムブロリズマブ術後投与は、 術前の化学療法単独と比較し、 OSを有意に改善した。 本試験の結果は、 高リスクの早期TNBCに対する標準治療として、 術前ペムブロリズマブ+化学療法に術後ペムブロリズマブを投与する併用療法をさらに支持するものである」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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