メイヨークリニック感染症科 松尾貴公
1ヶ月前
メイヨークリニック感染症科 松尾貴公先生による連載です。 「クレーム対応のコツ」の3回目、 今回は「実践で活用できる4つのフレーズ」を解説します。
Take home message
目の前の患者さんの診療に全力を尽くしているのにもかかわらず、 患者本人が怒ったり、 家族から不満を言われたりして、 精神的に疲れてしまうこともあるかもしれません。 そこで今回は、 実践で活用できるいくつかのフレーズを紹介します。
クレーム対応では、 患者さんの気持ちに寄り添い、 相手の不安や不満を和らげる表現を使うことが非常に効果的です。 感情的な対応を避け、 相手に安心感や信頼感を与えるためには、 適切な言葉選びが大切です。
ここで紹介するフレーズを状況に応じて使い分けることにより、 患者さんとの円滑なコミュニケーションを図るきっかけになります。
患者さんの不安や怒りを和らげるためには、 まず謝罪の言葉を伝えましょう。 ただし、 謝罪する際には言葉の使い方に注意が必要です。 単に 「すみません」 と言うよりも、 より丁寧な表現を使うことで、 誠意を伝えられます。
共感のフレーズを使うことで、 相手に 「自分の気持ちを理解してくれている」 と感じてもらえます。 クレーム対応の際、 相手の感情に寄り添い共感することは、 対立を避け、 話し合いをスムーズに進めるために非常に重要です。
クレーム対応では、 相手の意見や感情をしっかりと聞き取ることが大切です。 お伺いのフレーズを使って、 相手に話しやすい雰囲気を作りましょう。 こちらから詳細を尋ねることで、 問題の本質を理解し、 適切な対応策を考えることができます。
クレームの後には、 感謝の気持ちを伝えることが大切です。 意見を述べてくれたことに感謝することで、 患者さんの心情を受け入れ、 より良い医療を提供する姿勢を示すことができます。 感謝の言葉は、 クレーム対応の最後に気持ちを締めくくるためにも効果的です。
社会人として適切にクレーム対応ができるかどうかは、 重要なスキルの一つです。 クレームを 「ありがたいフィードバック」 と捉え直すことで、 皆さんの成長のチャンスにもつながります。 今回ご紹介したクレーム対応のコツが、 皆さんの臨床現場で役立つことを願っています。
連載バックナンバー
第11回 : クレーム対応のコツ① 知っておきたい2つのギャップ
第12回 : クレーム対応のコツ② 円滑に進めるための4つのポイント
レジデントのためのビジネススキル・マナー
医師として成功の一歩を踏み出す仕事術55
本書では自分が失敗から学んできた社会人としての院内・院外で必要なマナーや、 医師としての心得、 自己成長を成し遂げていくために必要な仕事術を解説していきます。 特に若手医師の皆さんにこれらを少しでも早い段階で共有することにより、 医師としてのキャリアを成功させるためのお手伝いが少しでもできれば幸いです。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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