海外ジャーナルクラブ
1年前
Fleischmannらは、 心血管疾患 (CV) リスクがある関節リウマチ (RA) 患者を対象に、 ウパダシチニブの安全性を6件の第Ⅲ相試験の統合解析で検討。 その結果、 RAの高リスク集団においては主要有害心血管イベント (MACE)、 悪性腫瘍 (非メラノーマ皮膚癌を除く)、 静脈血栓塞栓症 (VTE) のリスク増加が認められたが、 このリスクはウパダシチニブ治療群とアダリムマブ治療群で同等であった。 本研究はAnn Rheum Dis誌において発表された。
higher CV risk群 (aged ≥50 years with ≥1 CV risk factor) の打ち明けですが、 upadacitinib 15 mg, n=1717; adalimumab, n=320; and MTX monotherapy, n=162ということで、 N数の全く異なるこの3群でイベント発生率を比較するのはlimitationです。
6件の第Ⅲ相試験から統合された安全性データを用いて、 全試験集団およびCVリスクが高い患者 (50歳以上、 CVリスク因子1つ以上) のサブセットを抽出。
以下の患者の有害事象を事後評価した。
ウパダシチニブ15mgとアダリムマブのhead-to-head試験 (SELECT-COMPARE) の高リスク患者についても並行して評価し、 ウパダシチニブまたは比較薬剤への曝露量に基づき調整した有害事象の発生率を算出した。
3,209例の患者がウパダシチニブ15mg、 579例がアダリムマブ、 314例がMTX単剤療法を受けた。 患者の約54%が全体およびSELECT-COMPAREのCV高リスク群に含まれた。
MACE、 悪性腫瘍 (非メラノーマ皮膚癌を除く)、 VTEの年当たりの発生率は、 全試験集団と比較してCV高リスク群で高かったが、 治療群間で概ね同程度であった。
CV高リスク群における重篤な感染症および全試験集団における帯状疱疹、 非メラノーマ皮膚癌の発生率は、 比較群に比べ、 ウパダシチニブ15mg投与群で高かった。
RAのCV高リスク集団においては、 MACE、 悪性腫瘍 (非メラノーマ皮膚癌を除く)、 VTEのリスク増加が認められたが、 そのリスクはウパダシチニブ治療群とアダリムマブ治療群で同等であった。 非メラノーマ皮膚癌および帯状疱疹の発生率は、 全試験集団において比較薬剤に対してウパダシチニブ投与群で高く、 重篤な感染症の発生率は、 CV高リスク群のウパダシチニブ治療群で高かった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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