海外ジャーナルクラブ
14日前

Drejøeらは、 慢性リンパ性白血病 (CLL) 患者を対象に、 皮膚癌の発症リスクおよび皮膚癌特異的転移・死亡リスクを、 デンマークにおける全国規模の人口ベースマッチドコホート研究で評価した。 その結果、 CLL患者ではCLLを有さない患者と比べて皮膚癌の発症リスクおよび皮膚癌特異的転移・死亡リスクがいずれも有意に増加した。 本研究はJAMA Dermatol誌において発表された。
本研究は、 誤分類や残余交絡、 観察バイアス、 未調整因子 (皮膚タイプ・日光曝露) および集団の均一性に伴う一般化の制限があり、 結果が過小評価されている可能性があります。
CLLおよびその免疫抑制療法は、 皮膚癌の発症リスク増加と関連することが示唆されている。
しかし、 関連する長期的なエビデンスは限られており、 皮膚癌の発症リスク増加が皮膚癌特異的転移・死亡リスクの増加に繋がるかについても明らかでない。
デンマークにおける全国規模の人口ベースマッチドコホート研究として、 1990年1月~2020年12月のレジストリデータを用い、 以下の2群について解析した。
既往の皮膚癌または免疫抑制状態を有する患者は除外した。 追跡はCLL診断時から開始し、 評価対象事象の発生、 死亡、 国外移住、 または研究終了時まで継続した。
評価項目は、 皮膚癌全体、 基底細胞癌、 扁平上皮癌、 メルケル細胞癌、 悪性黒色腫、 皮膚リンパ腫、 ならびに皮膚癌特異的転移および死亡の絶対リスクとリスク差であった。 各リスクは、 他の原因による死亡を競合リスクとした多変量原因特異的Cox比例ハザード回帰モデルを用いて推定した。
CLL群および対照群の年齢中央値はそれぞれ70.7歳 (四分位範囲 [IQR] 62.2-78.3歳)、 70.7歳 (IQR 62.2-78.2歳) であり、 いずれも58.7%が男性であった。
皮膚癌の10年発症リスクは、 CLL群が13.5% (95%CI 12.7-14.3%) であり、 対照群の6.9% (95%CI 6.6-7.2%) と比べて有意に高かった (絶対リスク差 [ARD] 6.6%㌽ [95%CI 5.7-7.4%㌽]、 p<0.001) であった。
CLL群は対照群と比べてほとんどの皮膚癌亜型の発症リスクが高く、 特に基底細胞癌および扁平上皮癌で顕著であった。
8.6% (95%CI 7.9-9.2%) vs 5.4% (95%CI 5.2-5.7%)
ARD 3.2%㌽ (95%CI 2.4-3.8%㌽)、 p<0.001
4.7% (95%CI 4.2-5.2%) vs 1.4% (95%CI 1.3-1.6%)
ARD 3.3%㌽ (95%CI 2.8-3.8%㌽)、 p<0.001
CLL群は対照群と比べて、 皮膚癌特異的転移および皮膚癌特異的死亡のリスクも有意に高かった。
0.7% (95%CI 0.4-0.9%) vs 0.1% (95%CI 0.1-0.2%)
ARD 0.6%㌽ (95%CI 0.3-0.7%㌽)、 p<0.001
0.3% (95%CI 0.2-0.4%) vs 0.1% (95%CI 0.1-0.1%)
ARD 0.2%㌽ (95%CI 0.1-0.3%㌽)、 p=0.004
全死因死亡率はCLL群が56.3% (95%CI 55.3-57.2%) であり、 対照群の39.3% (95%CI 38.8-39.8%) と比べて有意に高かった (ARD 17.0%㌽ [95%CI 16.0-18.0%㌽]、 p<0.001)。
著者らは 「本コホート研究では、 CLL患者において、 主として基底細胞癌および扁平上皮癌を中心とした皮膚癌の発症リスクが高いことが明らかになった。 皮膚癌特異的転移および死亡もCLL患者でより多く認められたが、 全死因死亡率が著しく高かったことを考慮すると、 絶対リスクは依然として低かった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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