【J Clin Oncol】切除可能な胃・食道胃接合部癌、FLOT療法へのアテゾリズマブ上乗せが有望
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海外ジャーナルクラブ

11ヶ月前

【J Clin Oncol】切除可能な胃・食道胃接合部癌、FLOT療法へのアテゾリズマブ上乗せが有望

【J Clin Oncol】切除可能な胃・食道胃接合部癌、FLOT療法へのアテゾリズマブ上乗せが有望
Lorenzenらは、 切除可能な胃・食道胃接合部癌を対象に、 周術期治療としてFLOT療法 (フルオロウラシル、 ロイコボリン、 オキサリプラチン、 ドセタキセル) に抗PD-L1抗体アテゾリズマブを上乗せする有効性および安全性を多施設共同無作為化第Ⅱ/Ⅲ相試験DANTE/IKF-s633で検討した。 同試験の中間解析の結果、 FLOT療法にアテゾリズマブを上乗せすることで、 術後の病期のdownstagingと病理組織学的退縮を改善する可能性が示された。 本研究はJ Clin Oncol誌において発表された。

📘原著論文

Perioperative Atezolizumab Plus Fluorouracil, Leucovorin, Oxaliplatin, and Docetaxel for Resectable Esophagogastric Cancer: Interim Results From the Randomized, Multicenter, Phase II/III DANTE/IKF-s633 Trial. J Clin Oncol. 2023 Nov 14:JCO2300975. PMID: 37963317

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

中間解析の結果のようですので、 最終的なrecurrence-free や overall survivalの結果が期待されます。

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研究デザイン

対象

切除可能な胃・食道胃接合部癌 (≧cT2またはcN+) の患者 : 295例

介入

患者を以下の群に1 : 1の割合で割り付けた。

  • アテゾリズマブ併用群 : 146例
術前術後に4サイクルのFLOT療法とアテゾリズマブの併用療法を行った後、 8サイクルのアテゾリズマブ維持療法を実施
  • FLOT単独群 : 149例
FLOT療法単独

研究結果

解析対象

295例の患者が無作為に割り付けられた。 8%がマイクロサテライト不安定性 (MSI) を有する腫瘍を有しており、 58%がPD-L1 CPS ≧1の腫瘍を有していた。

有効性評価

downstaging

アテゾリズマブ併用群の方がFLOT単独群に比し優れていた。

ypT0

  • アテゾリズマブ併用群: 23%
  • FLOT単独群 : 15%
片側検定のp=0.044

ypT0-T2

  • アテゾリズマブ併用群 : 61%
  • FLOT単独群: 48%
片側検定のp=0.015

ypN0

  • アテゾリズマブ併用群 : 68%
  • FLOT単独群: 54%
片側検定のp=0.012

病理組織学的完全退縮率 (病理学的pCRまたは腫瘍退縮Grade 1a)

  • アテゾリズマブ併用群: 24%
  • FLOT単独群 : 15%
片側検定のp=0.032

サブグループ解析

この差はPD-L1 CPS≧0およびMSIのサブグループでより顕著であった。

PD-L1 CPS≧10

  • アテゾリズマブ併用群: 33%
  • FLOT単独群: 12%

MSI

  • アテゾリズマブ併用群 : 63%
  • FLOT単独群 : 27%

安全性評価

有害事象の発生率と重症度は両群間で同等であった。

結論

周術期のFLOT療法にアテゾリズマブを追加する治療は、 切除可能な胃・食道胃接合部癌患者において安全であり、 術後のdownstagingと病理組織学的退縮を改善する可能性が示された。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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