海外ジャーナルクラブ
11ヶ月前
Lorenzenらは、 切除可能な胃・食道胃接合部癌を対象に、 周術期治療としてFLOT療法 (フルオロウラシル、 ロイコボリン、 オキサリプラチン、 ドセタキセル) に抗PD-L1抗体アテゾリズマブを上乗せする有効性および安全性を多施設共同無作為化第Ⅱ/Ⅲ相試験DANTE/IKF-s633で検討した。 同試験の中間解析の結果、 FLOT療法にアテゾリズマブを上乗せすることで、 術後の病期のdownstagingと病理組織学的退縮を改善する可能性が示された。 本研究はJ Clin Oncol誌において発表された。
中間解析の結果のようですので、 最終的なrecurrence-free や overall survivalの結果が期待されます。
切除可能な胃・食道胃接合部癌 (≧cT2またはcN+) の患者 : 295例
患者を以下の群に1 : 1の割合で割り付けた。
295例の患者が無作為に割り付けられた。 8%がマイクロサテライト不安定性 (MSI) を有する腫瘍を有しており、 58%がPD-L1 CPS ≧1の腫瘍を有していた。
downstaging
アテゾリズマブ併用群の方がFLOT単独群に比し優れていた。
ypT0
片側検定のp=0.044
ypT0-T2
片側検定のp=0.015
ypN0
片側検定のp=0.012
病理組織学的完全退縮率 (病理学的pCRまたは腫瘍退縮Grade 1a)
片側検定のp=0.032
サブグループ解析
この差はPD-L1 CPS≧0およびMSIのサブグループでより顕著であった。
PD-L1 CPS≧10
MSI
有害事象の発生率と重症度は両群間で同等であった。
周術期のFLOT療法にアテゾリズマブを追加する治療は、 切除可能な胃・食道胃接合部癌患者において安全であり、 術後のdownstagingと病理組織学的退縮を改善する可能性が示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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