【JAMA Oncol】多発性骨髄腫へのElo-KRd併用療法、 高確率で完全奏功を達成
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2年前

【JAMA Oncol】多発性骨髄腫へのElo-KRd併用療法、 高確率で完全奏功を達成

【JAMA Oncol】多発性骨髄腫へのElo-KRd併用療法、 高確率で完全奏功を達成
Dermanらは, 自家幹細胞移植 (ASCT) を受けていない新規診断の多発性骨髄腫 (NDMM) 患者を対象に, エロツズマブ+ 週一回のKRd (カーフィルゾミブ, レナリドミド, デキサメタゾン) 療法併用 (Elo-KRd) の有効性を検討する多施設共同単群第Ⅱ相試験を実施. その結果, Elo-KRdにより, 高い確率で完全奏功 (sCR) , MRD陰性, 持続的な奏効が示された. 本研究はJAMA Oncol誌において発表された. 

原著

Derman BA, et al, Elotuzumab and Weekly Carfilzomib, Lenalidomide, and Dexamethasone in Patients With Newly Diagnosed Multiple Myeloma Without Transplant Intent: A Phase 2 Measurable Residual Disease-Adapted Study. JAMA Oncol. 2022 Jul 21. doi: 10.1001/jamaoncol.2022.2424.PMID: 35862034

背景

新規診断の多発性骨髄腫 (NDMM) に対し, モノクローナル抗体, プロテアソーム阻害剤, 免疫調節薬, およびコルチコステロイドから成る4剤併用療法は, 3剤併用療法と比較して無増悪生存期間 (PFS) の改善と関連付けられている.

ただし, 「最適な4剤併用療法は何か」, 「4剤併用療法によってASCTの必要性がなくなるかどうか」は不明である. 

研究デザイン

  • 対象: ASCTを受けていないNDMM患者46名
  • Elo-KRdを12~24サイクルで実施 (8サイクル (C8) および12サイクル後に実施されたNGSによるMRD陰性 (10⁻⁶) の結果で, Elo-KRdの投与期間を決定. その後, 疾患進行まで Elo-Rd 維持療法が行われた.
  • 主要評価項目:C8後のsCR率および/または MRD 陰性 (10⁻⁵) 率.
  • 副次評価項目:安全性, 奏効率, MRDの状態, PFS, 全生存期間 (OS)
  • また, 探索的解析として, 末梢血サンプルの液体クロマトグラフィー質量分析法 (MS) を用いてMRDを評価した.

研究結果

追跡期間中央値:29カ月.

有効性評価

  • C8後のsCRおよびMRD陰性化率は45例中26例 (58%) であり, 事前に定義された統計学的有効性の閾値を満たしていた.
  • 時間経過とともに奏効は深まり, MRD陰性化率は70%に, MS陰性化率は65%に上昇した.
  • 推定3年PFSは全体で72%, C8後でMRD陰性だった患者では92%であった.

安全性評価

  • グレード3または4の有害事象
  • 肺感染症:13%
  • 非肺感染症:11%
  • グレード5の心筋梗塞は1件であった.

結論

ASCTを実施せずにElo-KRdを使用する MRD 適合デザインでは, 高い確率で sCRおよび/またはMRD 陰性および持続的な奏効が示された. このアプローチは, 深い奏効を維持しながら治療被曝を低減するために, MRD ガイドによる治療のデスカレーションをさらに評価することが求められる.

👨‍⚕️監修医師のコメント
モノクローナル抗体, プロテアソーム阻害剤, 免疫調節薬とともに治療法に加えられているコルチコステロイドという存在の大きさを改めて感じます. どの領域においてもステロイドの効果というのはしっかりと検討されないといけないと再認識しました. 
こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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