海外ジャーナルクラブ
7日前
Cukerらは、 血液凝固第IX因子に対するインヒビターのない血友病Bを対象に、 アデノ随伴ウイルス (AAV) ベクターであるフィダナコゲン エラパルボベクの有効性および安全性について、 第Ⅲ相非盲検試験BENEGENE-2で検討した。 その結果、 フィダナコゲン エラパルボベクの定期補充療法に対する非劣性および優越性が証明された。 本研究はNEJMにおいて発表された。
「非劣性が達成された場合は優越性を比較すること」 がさらっと明記されており、 優劣両方の評価を一気に行っています(N=45)。
重症血友病A/Bへのfitusiran予防的皮下投与で年換算出血率が有意に低下
中等症~重症の血友病B、 ウイルスベクターを用いた遺伝子治療で第IX因子の維持を確認
現在、 血友病Bの治療として、 血液凝固第IX因子製剤を静脈内投与することにより、 欠乏する血液凝固第IX因子を補充する血液凝固因子補充療法が標準的に行われている。
高活性のヒト第IX因子変異体 (FIX-R338L/FIX-Padua) を含む血友病Bのベクターであるフィダナコゲン エラパルボベクは、 第Ⅰ/Ⅱa相試験で第IX因子活性の持続との関連が認められた。
第IX因子濃度が2%以下である18~65歳の男性で、 予防的第IX因子濃縮製剤による定期補充療法を少なくとも6ヵ月以上受けた血友病B患者45例に、 フィダナコゲン エラパルボベクを5×10¹¹ベクターゲノムコピー/kg投与した。
主要評価項目は治療後12週~15ヵ月目までの年間出血率 (治療済および未治療のエピソード) で、 予防的第IX因子濃縮製剤による定期補充療法を受けていた導入期と比較検証した。 副次評価項目には優越性、 追加の有効性、 安全性が設定された。
フィダナコゲン エラパルボベクを投与された45例のうち、 15ヵ月間の追跡が完了したのは44例であった。
ベースライン時の年間出血率の平均値は1.28 (95%CI 0.57-1.98) で、 投与前の4.42(同 1.80-7.05) と比較して全出血エピソードにおける年間出血率は71%減少し、 フィダナコゲン エラパルボベクの定期補充療法に対する非劣性および優越性が示された。
また、 治療後15ヵ月時点で、 第IX因子活性の平均は26.9% (中央値22.9%、 範囲1.9-119.0%) だった。
フィダナコゲン エラパルボベクの投与に関連する重篤な有害事象や血栓イベント、 第 IX 因子インヒビターの発生、 悪性疾患は観察されなかった。
著者らは 「血友病B患者に対するフィダナコゲン エラパルボベクは定期補充療法に対する優越性を示し、 出血リスクの減少および第IX因子の安定した発現が得られた」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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