【NEJM】成人血友病Bへの遺伝子治療フィダナコゲン エラパルボベク、標準治療への優越性を証明
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海外ジャーナルクラブ

2ヶ月前

【NEJM】成人血友病Bへの遺伝子治療フィダナコゲン エラパルボベク、標準治療への優越性を証明

【NEJM】成人血友病Bへの遺伝子治療フィダナコゲン エラパルボベク、標準治療への優越性を証明
Cukerらは、 血液凝固第IX因子に対するインヒビターのない血友病Bを対象に、 アデノ随伴ウイルス (AAV) ベクターであるフィダナコゲン エラパルボベクの有効性および安全性について、 第Ⅲ相非盲検試験BENEGENE-2で検討した。 その結果、 フィダナコゲン エラパルボベクの定期補充療法に対する非劣性および優越性が証明された。 本研究はNEJMにおいて発表された。 

📘原著論文

Gene Therapy with Fidanacogene Elaparvovec in Adults with Hemophilia B. N Engl J Med. 2024 Sep 26;391(12):1108-1118. PMID: 39321362.

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

「非劣性が達成された場合は優越性を比較すること」 がさらっと明記されており、 優劣両方の評価を一気に行っています(N=45)。

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Lancet. 2023 Apr 29;401(10386):1427-1437.

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N Engl J Med. 2022 Jul 21;387(3):237-247.

背景

既報の第I/IIa相試験で第IX因子活性持続との関連は確認済

現在、 血友病Bの治療として、 血液凝固第IX因子製剤を静脈内投与することにより、 欠乏する血液凝固第IX因子を補充する血液凝固因子補充療法が標準的に行われている。

高活性のヒト第IX因子変異体 (FIX-R338L/FIX-Padua) を含む血友病Bのベクターであるフィダナコゲン エラパルボベクは、 第Ⅰ/Ⅱa相試験で第IX因子活性の持続との関連が認められた。

研究デザイン

血友病B患者に投与し、 年間出血率を評価

第IX因子濃度が2%以下である18~65歳の男性で、 予防的第IX因子濃縮製剤による定期補充療法を少なくとも6ヵ月以上受けた血友病B患者45例に、 フィダナコゲン エラパルボベクを5×10¹¹ベクターゲノムコピー/kg投与した。

主要評価項目は治療後12週~15ヵ月目までの年間出血率 (治療済および未治療のエピソード) で、 予防的第IX因子濃縮製剤による定期補充療法を受けていた導入期と比較検証した。 副次評価項目には優越性、 追加の有効性、 安全性が設定された。

結果

年間出血率が71%減、 非劣性と優越性を証明

フィダナコゲン エラパルボベクを投与された45例のうち、 15ヵ月間の追跡が完了したのは44例であった。

ベースライン時の年間出血率の平均値は1.28 (95%CI 0.57-1.98) で、 投与前の4.42(同 1.80-7.05) と比較して全出血エピソードにおける年間出血率は71%減少し、 フィダナコゲン エラパルボベクの定期補充療法に対する非劣性および優越性が示された。

また、 治療後15ヵ月時点で、 第IX因子活性の平均は26.9% (中央値22.9%、 範囲1.9-119.0%) だった。

安全性はコントロール可能

フィダナコゲン エラパルボベクの投与に関連する重篤な有害事象や血栓イベント、 第 IX 因子インヒビターの発生、 悪性疾患は観察されなかった。

結論

定期補充療法に比べて優れた治療成績

著者らは 「血友病B患者に対するフィダナコゲン エラパルボベクは定期補充療法に対する優越性を示し、 出血リスクの減少および第IX因子の安定した発現が得られた」 と報告した。


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