海外ジャーナルクラブ
11ヶ月前
Sharma氏らは、 トリプルネガティブ乳癌 (TNBC) の患者を対象に、 アントラサイクリン系薬を含まない術前療法レジメン (カルボプラチン/ドセタキセル+抗PD-1抗体ペムブロリズマブ) の有効性について第II相非盲検試験NeoPACTで検討した。 その結果、 TNBCの術前療法にペムブロリズマブを追加することで、 病理学的完全奏効 (pCR) と無イベント生存期間 (EFS)で良好な結果が認められた。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。
本研究結果は、 アントラサイクリンベースのレジメンが適用できないTNBC患者に対する化学免疫療法の代替レジメンに関するデータを提供しており、 またRCTにおける化学療法デエスカレーション戦略としての術前療法ペムブロリズマブ+カルボプラチン、 ドセタキセルをサポートする点からも意義があります。
TNBC治療において、 アントラサイクリン系薬を含まない化学免疫療法の有効性は未評価であった。
StageI~IIIのTNBC患者 : 115例
対象患者にカルボプラチン/ドセタキセル (75mg/m²) +ペムブロリズマブ (200mg) を21日ごとに6サイクル投与
pCR
残存腫瘍量(RCB)、 EFS、 毒性、 免疫バイオマーカー
pCR達成率 : 58%
RCB
RCBが0~1の割合 : 69%
推定3年EFS
患者全体 : 86%
pCR群 : 98%
非pCR群 : 68%
Grade3以上の免疫介在有害事象の発現率は患者全体の3.5%に認められた。
StageⅠ~ⅢのTNBCにおいて、 術前療法としてのカルボプラチン/ドセタキセル+ペムブロリズマブ併用は、 患者のpCRと3年EFSを改善した。 また、 同レジメンの忍容性は良好であった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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