日本癌治療学会 がん診療ガイドライン作成・改訂委員会は7月26日、 2023年10月に発刊された『制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版』について、 日本癌治療学会が運営する 「がん診療ガイドライン」 上にてWeb版を公開したと発表した。
制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版 Web版はこちら
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関連:適正使用ガイドラインの英語版はこちら
Int J Clin Oncol. 2024 Jul;29(7):873-888.
HOKUTO内の関連コンテンツ
これまでにもHOKUTO編集部では、 外部医師との協力で適正使用ガイドに関する解説連載を行っております。 併せてご確認ください。
国立がん研究センター中央病院 山本駿先生による改訂ポイントまとめ
第1回 : 制吐薬適正使用の総論
改訂の中心となったオランザピンに関して、 J-FORCE試験を中心に、 本邦におけるオランザピンの開発を概説
第2回 : 高催吐レジメン
新しい標準治療である4剤併用の実臨床における具体的な投与量等も交え、 高催吐性レジメンに対する制吐療法に関して概説
第3回 : 中催吐レジメン
中催吐性レジメンの制吐療法に加え、 ステロイド・スペアリング*やオランザピンの上乗せに関して概説
第4回 : 軽度・最小度催吐性レジメン
軽度催吐性レジメンの制吐療法(デキサメタゾン、5-HT3受容体拮抗薬)を中心に概説
第5回 : 新規開発薬ホスネツピタント
ホスネツピタントの有効性・安全性を検証した試験を取り上げ、 そのエビデンスと今後の展望を解説
第6回 : 中催吐性レジメンで管理困難時の対応
選択的NK1受容体拮抗薬ホスネツピタントを中心に概説
高催吐性レジメンに対する支持療法、 どれを選択することが多いですか?
HOKUTOユーザーの医師129名に聞きました
(実施期間:2023年3月1日〜3月14日)
アンケート結果:NK₁受容体拮抗薬+5-HT₃受容体拮抗薬+DEXの「3剤併用療法」が最多で、 次点はオランザピンを含む「4剤併用療法」となりました >>詳細な解説を確認する
CLDN18.2陽性進行胃癌へのゾルベツキシマブ併用における制吐療法適正使用
ワーキンググループからの追加提言を簡潔にまとめました >>詳細な解説を確認する
- on-targetの有害事象で「高催吐性」に分類
- 投与後「1時間以内」に発現
- 5-HT3+NK1+ステロイド併用が必須
- オランザピンやドパミンD2も適宜使用
- 点滴投与速度の適切な調整が重要
- 遅発期悪心・嘔吐はオランザピン併用
- ゾルベツキシマブの減量は慎重に検討
- 多角的かつ継続的な介入と情報収集を
関連:Zolbetuximab+FOLFOX