NPM1変異陽性R/R AMLへのziftomenibは有効かつ安全:第Ⅰ/Ⅱ相KOMET-001
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HOKUTO編集部

1年前

NPM1変異陽性R/R AMLへのziftomenibは有効かつ安全:第Ⅰ/Ⅱ相KOMET-001

NPM1変異陽性R/R AMLへのziftomenibは有効かつ安全:第Ⅰ/Ⅱ相KOMET-001
NPM1変異陽性で再発・難治性急性骨髄性白血病 (R/R AML) の成人患者を対象にziftomenib 600mgを投与した第Ⅰb相試験 (KOMET-001) の結果から、 濃厚な治療歴があり共変異を有するNPM1変異陽性R/R AML治療においてziftomenibは安全かつ有効であることが示された。  2023年6月に開催された欧州血液学会 (EHA 2023) において、 米・Mass General HospitalのAmir Fathi氏が発表した。

試験の概要

KOMET-001試験とは

NPM1変異陽性またはKMT2A遺伝子再構成を伴う再発・難治性急性骨髄性白血病患者で対象NPM1遺伝子変異陽性またはKMT2A遺伝子再構成を伴うR/R AMLの成人患者に対するメニンKMT2A阻害薬ziftomenibの単剤療法の安全性および忍容性を検証する国際共同非盲検第Ⅰ/Ⅱ相試験である。

今回は第Ⅰb相試験 (用量拡大フェーズ)

今回は2023年4月12日をカットオフ日とし、 NPM1変異陽性R/R AML患者 (20例) に対して、 ziftomenib 600mg(推奨用量)を投与した際の安全性および忍容性、 薬物動態、 臨床的活性が報告された。

ziftomenib 600mg 1回/日 経口投与 (1サイクル28日) ※再発・病勢進行または許容できない毒性を認めるまで継続

評価項目

安全性および忍容性、 薬物動態、 臨床的活性

結果

患者背景

年齢中央値 70.5歳 (範囲22-86歳)、 男性 30% (6例)、 ECOG PS 1 70% (14例)、 FLT3変異率・IDH1/2変異率はそれぞれ30%と40%で 両方に変異があったのは20%であった。 前治療歴中央値は3レジメン (範囲1-10)で、 造血幹細胞移植 (HSCT) 歴は 20%にみられた。

臨床的活性

完全寛解 (CR) 率 35%

FL3、 IDHのそれぞれ共変異がある症例のCR率はそれぞれ33%、 50%であった

複合CR* 率 40%

CRc;CR+CRh+CRi:*血球数の回復を伴わない完全寛解

全奏効率  (ORR):45%

CR+CRh*+CRi+MLFS**: *部分的血液学的回復を伴う完全寛解率  **形態学的無白血病状態
CRiを達成した1例はHSCT施行後、 現在もCRを持続。 初回奏効までの期間中央値は51日で、 持続奏効期間(DOR)中央値は8.2カ月 (95%CI 1.0カ月-未到達)、 用量200mgでCRに達した1例〔微小残存病変 (MRD) 陰性〕は36サイクル時点でDORを継続していた。 CRcを達成した6例中4例 (67%) がMRD陰性、 同時FLT3 ITD/TKDおよびIDH 1/2変異を有する症例でMRD陰性化を伴う持続的寛解を達成した。

有害事象(AE)

治療関連AE 全グレード:95%

治療関連AE ≧グレード3:85%

最も頻度の高いグレード3以上のTEAEは貧血25%、 血小板減少症20%で、 薬剤性QT延長症候群の報告はなかった。 APL分化症候群は4例であった (グレード3は1例、 いずれも管理可能)

耐性プロファイル

耐性変異MEN1-M3271発現を29例中1例 (3.4%、 C4D28で検出) に認めた。  ziftomenib 2サイクル以上投与した13例ではMEN1耐性変異検出されず、 best responseを示した。

Fathi氏らの結論

前治療歴が濃厚かつ共変異を有するNPM1変異陽性の再発・難治性AML患者において、 ziftomenibは安全かつ臨床的に有意な抗腫瘍効果を示した。  なお、 同薬の用量600mgを検証する第Ⅱ相試験は現在進行中 (主要評価項目はCR/CRh) である。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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