MDアンダーソンがんセンター感染症科 松尾貴公
10ヶ月前
Musculoskeletal infections caused by streptococcus infantarius - a case series and review of literature

研究デザイン
単施設後ろ向き観察研究 (2008年1月~24年5月)
対象
S. infantariusが血液培養、 穿刺液、 組織などから1検体以上検出された72例。
除外基準
無症候性、 または治療を要さないと判断された症例。
評価項目
感染の種類、 治療内容、 抗菌薬感受性、 治療成績 (再発の有無)
症例の概要
S. infantariusが臨床的に真の感染と評価された33例のうち、 整形外科感染は4例 (12.1%)、 非整形外科感染は29例 (87.9%) であった。
整形外科感染例の特徴および治療経過は以下の通りであった。
1. 急性人工膝関節感染
2. 化膿性脊椎椎間板炎 (L3/4)
3. 慢性人工股関節感染
4. 脊椎手術後の深部創感染
治療とアウトカム
整形外科感染4例の全例で治療が成功し、 追跡期間は10~60ヵ月であった。
ペニシリンに対しては全株が感受性であった。 また、 クリンダマイシンは85.7%感受性、 14.3%が耐性であった。
経口薬として、 アモキシシリンまたはクリンダマイシンが使用された。

S. infantariusはS. bovis/Streptococcus equinus complexグループに属しており、 これまで整形外科感染症における臨床的意義が十分に理解されていませんでした。
本研究は、 症例数は少ないものの、 S. infantariusが整形外科感染症の原因として重要であることを示した報告です。
S. infantariusはS. gallolyticusと同じグループに属しており、 消化管由来など血行性感染を考慮する必要性があります。 本菌はペニシリンに感受性を示すことが多く、 長期の内服抗菌薬としてはアモキシシリンが頻用されます。
S. gallolyticusのように大腸腺腫や大腸腫瘍との強い関連はこれまで示されていませんが、 まれな菌であるため今後の症例の蓄積によるさらなる研究が望まれます。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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