臨床試験データベース
11ヶ月前
エストロゲン受容体陽性の早期乳癌患者において、 術後にタモキシフェン投与を10年まで延長することの効果を、 5年投与で終了した場合を対照に検証したランダム化比較試験ATLASの結果より、 タモキシフェンを10年間投与することで、 10年後の再発と乳癌死亡を予防できることが示された。
▼解析結果
タモキシフェン錠10mg
1日20mgを1~2回に経口投与
タモキシフェン錠20mg
1日20mgを1回に経口投与
5年間の術後療法を完了した1万2,894例中のうち、 エストロゲン受容体陽性の6,846例 (53%) 例を以下の2群に1:1で割り付けた。
各群とも診断後10年は91%の生存者が、 診断後15年は77%が追跡調査を受けていた。
再発が記録されたのは1,328例 (5-9年目に899例、 10-14年目に379例、 15年目以降に50例)
RR 0.84 (95%CI 0.76-0.94)、 p=0.002
p=0.01
p=0.01
RR 0.99 (95%CI 0.89-1.10)、 p=0.84
肺塞栓
RR 1.87 (95%CI 1.13-3.07)、 p=0.01
脳卒中
RR 1.06 (95%CI 0.83-1.36)、 p=0.63
虚血性心疾患
RR 0.76 (95%CI 0.60-0.95)、 p=0.02
子宮内膜癌
RR 1.74 (95%CI 1.30-2.34)、 p=0.0002
5-14年目の子宮内膜癌の累積リスクは、 10年投与群で3.1% (死亡率0.4%) 、 5年投与群で1.6% (死亡率0.2%) であった。
エストロゲン受容体陽性の早期乳癌患者の術後療法において、 タモキシフェンを10年間投与することは、 5年間投与後に中止するよりも、 特に10年後の再発と乳癌死亡を予防できることが示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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