海外ジャーナルクラブ
10ヶ月前

Reyngoldらは、 米国の切除可能な膵管腺癌患者を対象に、 放射線アブレーション (A-RT) の有効性および安全性をコホート研究で検討した。 その結果、 A-RTと良好な2年OSおよび局所進行の累積発生率との関連が、 高齢、 Karnofsky Performance Status (KPS) スコア低値、 導入化学療法実施の有無に関係なく認められた。 特に、 手術合併症リスクが高い場合や機能的影響が深刻な場合に、 A-RTが外科的切除に代わる治療選択肢となる可能性が示唆された。 研究はJAMA Oncol誌に発表された。
単施設、 後ろ向きのcase series、 25例という少ないサンプルサイズをlimitationとして挙げています。
KPS (Karnofsky Performance Scale)
膵管腺癌の外科的切除は、 転移リスクの競合により長期生存率をわずかに改善するが、 術後の合併症はしばしば全身療法の実施を妨げ、 一部の患者には受け入れられない可能性がある。
放射線アブレーション (A-RT) は多くの癌腫で効果的な非侵襲的局所療法である。 そこで、 外科的切除に代わる治療法としてのA-RTの有効性および安全性について、 コホート研究で検討した。
対象は、 米Memorial Sloan Kettering Cancer Centerで生物学的有効線量97.5Gyを超えるA-RTが実施された切除可能なT1-2N0-1M0の膵管腺癌患者25例。 いずれも切除可能な腫瘍ではあったが、 患者は癌に関連のない併存疾患のため手術の適応とならなかった。
主要評価項目は全生存期間 (OS) であった。 副次評価項目は血液検査および画像診断による客観的奏効率 (ORR)、 局所進行の累積発生率、 無増悪生存期間 (PFS) および無遠隔転移生存期間 (DMFS) などであった。
対象患者25例のうち13例 (52%) が男性、 A-RT実施時の年齢中央値は80歳 (四分位範囲 74-87歳) であった。 20例 (80%) の患者のKarnofsky Performance Status (KPS) スコアは80以下であった。
病期は15例 (60%) がT2であり、 4例 (16%) がリンパ節転移陽性であった。 17例 (68%) が中央値2.9ヵ月 (範囲 1.0-6.1ヵ月) の導入化学療法を受けていた。
従来のリニアック (直線加速器) で実施された放射線療法で、 13例が75Gyを25分割、 9例が67.5Gyを15分割、 2例が50Gyを5分割 (MRリニアック)、 1例が60Gyを10分割で照射された。
2年OS率は43.7% (95%CI 27.4-69.5%) であった。
また、 2年時の局所進行の累積発生率は20.8% (95%CI 7.3-39.0%)、 無遠隔転移生存 (DMFS) 率は20.0% (95%CI 9.1-43.8%) であった。
Grade 3の急性および慢性の消化器系有害事象 (AE) はそれぞれ3例および1例で認められ、 Grade 4以上のAEは報告されなかった。
著者らは 「切除可能な膵管腺癌にA-RTを実施することで、 高齢、 KPSスコア低値、 導入化学療法実施の有無に関係なく、 良好なOSと局所腫瘍制御が得られた。 この結果から、 A-RTが外科的切除に代わる治療選択肢となる可能性が示唆された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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