海外ジャーナルクラブ
1年前
Gunstらは、 早期静脈栄養を受けていない重症ICU患者を対象に、 厳格血糖管理が転帰に及ぼす影響を無作為化比較試験で検討した。 その結果、 厳格な血糖管理は非制限的な血糖管理と比較して、 ICUでの治療を要した期間や死亡率に影響を及ぼさないことが明らかとなった。 本研究はNEJM誌において発表された。
Subgroupを見ますと、 neurologic diagnosisは死亡のオッズが0.69 (0.46-1.02)です。 病態生理から考えても厳密な血糖管理は神経集中治療において期待されるため、 今後この領域でのRCTが必要です。
ICU患者での厳格な血糖管理の利点とリスクに関しては以前から示唆されており、 早期静脈栄養の有無や重症低血糖の発生がその矛盾を説明している可能性がある。
早期静脈栄養を受けていないICU患者 9,230例
以下の2群に1:1で無作為に割り付けた。
静脈栄養は両群とも1週間実施しなかった。
ICUでの治療を要した期間
90日死亡率
ICUでの治療を要した期間については両群間で差を認めなかった。
HR 1.00、 95%CI 0.96-1.04、 p=0.94
90日死亡率においても両群間で差を認めなかった(p=0.51)。
事前に規定された8項目の副次評価項目を解析した結果、 新規感染症の発生率、 呼吸補助および血行動態補助の時間、 生存退院までの期間、 ICUおよび院内死亡について、 いずれも両群間で差がなかった。一方、 重症急性腎障害および胆汁うっ滞性肝機能障害は、 厳格血糖管理群の方が少ないことが示唆された。
早期静脈栄養を受けていない重症患者において、 厳格な血糖管理はICUでの治療を要した期間や死亡率に影響を及ぼさなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。