HOKUTO編集部
3年前
HOKUTOユーザーの医師57名に聞きました。

アンケート結果:SOX+ニボルマブ併用療法が最多で、 次点はS-1+オキサリプラチン (SOX) 療法となりました。
国立がん研究センター 中央病院
頭頸部・食道内科
切除不能進行胃がんの予後改善を目指して、 本邦も含め世界中で長らく薬剤開発が進められてきたが、 その多くが全生存期間 (OS) の延長を証明できなかった。
そのような中、 日本臨床腫瘍研究グループ (JCOG) が実施したJCOG9912試験は、 当時の胃がんに対する一次治療の標準治療であった5-FU療法を対照として、 S-1単剤の非劣性およびシスプラチン (CDDP) +イリノテカン (IRI) 併用療法の優越性を検討したランダム化比較試験 (RCT) である。 最終的にOS中央値は5-FU療法で10.8カ月、 CDDP+IRI併用療法で12.3カ月と優越性は証明できなかった (HR 0.85、 95%CI 0.70-1.04) が、 S-1単剤で11.4カ月と非劣性が証明された(同0.83、 0.68-1.01)¹⁾。
同時期にS-1単剤を対照として、 S-1+CDDP併用 (SP) 療法の優越性を検討したRCTであるSPIRITS試験が行われ、 OS中央値はS-1単剤の11.0カ月に対し、 SP療法では13.0カ月と優越性が証明された (HR 0.77、 95%CI 0.61-0.98)²⁾。
これらから、 当時はSP療法が切除不能な進行胃がんの初回治療の標準治療として確立された。
一方、 第三世代のプラチナ系薬剤であるオキサリプラチンを用いた治療開発も行われ、 SP療法を対照として、 S-1+オキサリプラチン併用 (SOX) 療法の非劣性を検討したRCTであるG-SOX試験が行われた。
OS中央値はSP療法で13.1カ月、 SOX療法で14.1カ月と非劣性は証明されなかった (HR 0.969、 95%CI 0.812-1.157)³⁾。
しかし海外で実施されたREAL-2試験⁴⁾の結果も加味され、 SOX療法はSP療法とほぼ同様の治療効果を示したと考えられた。
またToGA試験⁵⁾の結果から、 HER2 statusによる治療選択が確立され、 約80%のHER2陰性例では前述のエビデンスより2剤併用療法が標準治療とされていた。
そのような中、 後治療で有効性を証明したニボルマブを初回治療に上乗せする治療法の優越性を検討したRCTであるCheckMate 649試験が行われた。 登録された全集団において、 ニボルマブの上乗せがOSを有意に延長することが証明された (HR 0.80、 99.3%CI 0.68-0.94)⁶⁾。
さらにATTRACTION-4試験⁷⁾の結果も踏まえて、 現在ではHER2陰性の初回治療はニボルマブと2剤併用化学療法が標準治療として確立されている。
しかしCheckMate 649試験では、 PD-L1 CPS 1以上のみの症例ではHRが0.77、 PD-L1 CPS 5以上の症例ではHRが0.71⁶⁾とPD-L1 CPSが高い集団で絞るとニボルマブの上乗せ効果が高まる可能性が示唆されている。
そのため、 特にPD-L1 CPS 5未満の症例における初回治療へのニボルマブの上乗せは議論の余地がある。

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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