HOKUTO編集部
2ヶ月前
2024年9月30~10月7日に、 消化器内科・消化器外科・腫瘍内科のHOKUTO医師会員を対象に上記のアンケートを実施しました。 その結果、427人から回答が得られ、 「4検査 (HER2検査、 CLDN18検査、 PD-L1検査、 MSI/MMR判定検査) を同時に実施する」 (77.3%) が最も多く、 次いで大きく差はあるものの「HER2検査、 PD-L1検査、 CLDN18検査の3つを実施する」 (9.37%) が多い結果となりました。
日本胃癌学会では、 進行再発胃癌に対する1次治療の選択に際してのバイオマーカー検査に関する推奨 (切除不能進行・再発胃癌バイオマーカー検査の手引き 第1.1版) を公式サイト上に掲載している¹⁾。 現在、 3種類の分子標的薬 (トラスツズマブ、 免疫チェックポイント阻害薬、ゾルベツキシマブ) が選択可能であり、 これらの薬剤の治療効果と関連する4種類の検査を同時に実施することが推奨されている。
また、 抗Claudin18.2抗体ゾルベツキシマブ (ビロイ®︎) が6月から保険収載されたことを受けて、 臨床現場においてこれら4種類の検査をどのように実施しているのかは、 癌治療専門医の皆さんにとっても関心の高い話題と思われる。
今回、 427人の医師からアンケート回答があった。 このうち77.3%が 「4検査を同時に実施する」 と回答したことは、 予想以上に高率と思われた。 一方、 「3種類あるいは2種類の検査を実施する」 と回答した医師も約6~10%おり、 治療効果と相関の強い分子を優先的に検査する、 という意見も一定数あることが示された。
「HER2検査を100%実施する」 との回答は当然として、 「CLDN18検査も100%実施する」 という回答であることは、 保険適用からわずか3ヵ月という時期としては、 異例の素早い対応と思われる。
前回実施したアンケート調査では、 PD-L1・CLDNのダブルポジティブ症例では、 60%以上でゾルベツキシマブを処方する、 と回答していることから、 今後数ヵ月で、 かなりの症例に対してゾルベツキシマブによる治療が行われることが予測される。
数ヵ月後を目処として、 ゾルベツキシマブの治療効果について調査を行うことで、 選択肢が豊富かつ複雑となった胃癌化学療法の最新の動向をモニタリングしたい。
CPS 5以上かつCLDN18.2陽性進行胃癌の1次治療の選択は?
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Claudin18.2陽性胃癌に対する「ゾルベツキシマブ」治療戦略の展望
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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