海外ジャーナルクラブ
2年前
Altorkiらは、 臨床病期がT1aN0 (腫瘍径2cm以下) の末梢性非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 縮小手術と肺葉切除術の転帰を多施設共同非劣性第Ⅲ相試験で検討。 その結果、 縮小手術は肺葉切除術に比べ無病生存率 (DFS) に関しては非劣性であり、 全生存期間 (OS) においても両手術で同程度であった。 本研究はNEJM誌において発表された。
日本からのLancet 2022 (JCOG0802試験)に続いて、 今回の欧米からのNEJMの報告となりました。 手術の方法、 組織型が違っても同様の結果ということで強固な結論と言えると思います。
小型のNSCLCの発見が増えたことにより、 肺葉切除術に代わる縮小手術への関心が高まっている。
臨床病期がT1aN0 (腫瘍径2cm以下) のNSCLC患者
術中にリンパ節転移陰性と確認した後、 以下の2群に無作為に割り付けた。
無病生存率 (DFS)
全生存期間 (OS)、 局所および全身再発、 肺機能
中央値7年の追跡の結果、 縮小手術は肺葉切除術に対し非劣性であることが示された。
縮小手術後のOSは肺葉切除後のそれと同程度であった。
縮小手術群:63.6%
肺葉切除術群:64.1%
縮小手術群:80.3%
肺葉切除術群:78.9%
両群間に局所再発と遠隔再発の発生率の実質的な差は認められなかった。 術後6カ月の時点で、 予測されるFEV₁中央値の群間差は2%であり、 縮小手術群が有利であった。
腫瘍サイズが2cm以下で、 肺門リンパ節と縦隔リンパ節にリンパ節転移がないことが病理学的に確認された末梢性NSCLC患者において、 DFSに関して縮小手術は肺葉切除術に対し非劣性であり、 OSにおいて両手術で同程度の成績であった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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