【NEJM】2cm以下のⅠa期肺癌、縮小手術が肺葉切除術に比べDFS非劣性
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【NEJM】2cm以下のⅠa期肺癌、縮小手術が肺葉切除術に比べDFS非劣性

【NEJM】2cm以下のⅠa期肺癌、縮小手術が肺葉切除術に比べDFS非劣性
Altorkiらは、 臨床病期がT1aN0 (腫瘍径2cm以下) の末梢性非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 縮小手術と肺葉切除術の転帰を多施設共同非劣性第Ⅲ相試験で検討。 その結果、 縮小手術は肺葉切除術に比べ無病生存率 (DFS) に関しては非劣性であり、 全生存期間 (OS) においても両手術で同程度であった。 本研究はNEJM誌において発表された。

📘原著論文

Lobar or Sublobar Resection for Peripheral Stage IA Non-Small-Cell Lung Cancer. N Engl J Med. 2023 Feb 9;388(6):489-498.PMID: 36780674

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

日本からのLancet 2022 (JCOG0802試験)に続いて、 今回の欧米からのNEJMの報告となりました。 手術の方法、 組織型が違っても同様の結果ということで強固な結論と言えると思います。

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背景

小型のNSCLCの発見が増えたことにより、 肺葉切除術に代わる縮小手術への関心が高まっている。

研究デザイン

対象

臨床病期がT1aN0 (腫瘍径2cm以下) のNSCLC患者

介入

術中にリンパ節転移陰性と確認した後、 以下の2群に無作為に割り付けた。

  • 縮小手術群:340名
  • 肺葉切除術群:357名

主要評価項目

無病生存率 (DFS)

副次評価項目

全生存期間 (OS)、 局所および全身再発、 肺機能

研究結果

無病生存率 (DFS)

中央値7年の追跡の結果、 縮小手術は肺葉切除術に対し非劣性であることが示された。

疾患再発または死亡のHR 1.01、 90%CI、 0.83-1.24

全生存期間 (OS)

縮小手術後のOSは肺葉切除後のそれと同程度であった。

死亡のHR 0.95、 95%CI 0.72-1.26

5年DFS

縮小手術群:63.6%

95%CI 57.9-68.8

肺葉切除術群:64.1%

95%CI 58.5-69.0

5年OS

縮小手術群:80.3%

95%CI 75.5-84.3

肺葉切除術群:78.9%

95%CI 74.1-82.9

局所再発と遠隔再発の発生率

両群間に局所再発と遠隔再発の発生率の実質的な差は認められなかった。 術後6カ月の時点で、 予測されるFEV₁中央値の群間差は2%であり、 縮小手術群が有利であった。

結論

腫瘍サイズが2cm以下で、 肺門リンパ節と縦隔リンパ節にリンパ節転移がないことが病理学的に確認された末梢性NSCLC患者において、 DFSに関して縮小手術は肺葉切除術に対し非劣性であり、 OSにおいて両手術で同程度の成績であった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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