海外ジャーナルクラブ
8ヶ月前
Haj-Mirzaianらは、 前立腺癌疑いの患者を対象に、 生検を省略可能なMRI/前立腺特異抗原 (PSA) 基準についてシステマチックレビューとメタ解析で検討。 その結果、 PI-RADS (MRIによる画像所見を1~5点で判定するスコアリングシステム) と前立腺特異抗原密度 (PSAD) を用いることで、 臨床的に意義のある前立腺癌 (csPCa) の見逃しを最小限に抑えつつ、 生検を省略できる可能性が示唆された。 本研究はJAMA Netw Openにおいて発表された。
PI-RADS 3点以下かつPSAD 0.10ng/mL²未満の症例において感度97% (95%CI 95-98%) ということですので、 なお3-5%は見逃されてしまう可能性があり、 今後さらなる改良が期待されます。
臨床的に重要な前立腺癌 (グリーソンスコア≥3+4) が疑われる症例において、 前立腺生検の必要性を判断するために、 MRIと臨床データを統合する複数の戦略が提案されている。 しかしそれらの戦略には一貫性がなく、 最終結論には至っていない。
csPCaが疑われる男性 : 3万6,366例
主要文献データベースに2022年7月1日までに登録された文献より、 MRI検査とPI-RADS、 その後の前立腺生検による評価が行われている等の基準を満たす論文72本を抽出した。 研究の質は、 診断精度研究のバイアスリスク評価ツール (QUADAS-2) およびNewcastle-Ottaw Scaleで評価され、 多変量モデルによるメタ解析と単変量のメタ回帰分析が実行された。
csPCaリスク上昇と有意な関連を認めたもの
有意な関連が認められなかったもの
csPCaリスクと有意な関連を認めたもの
PI-RADS 3点以下かつPSAD 0.10ng/mL²未満の症例では、 感度97% (95%CI 95-98%)、 陰性的中率94% (同89-96%)、 害必要数17 (同 9-27) で、 不要な生検を30%回避できることが示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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