【CMR GUIDE】LVEF36~50%+心筋瘢痕あり、 ICD 1次予防効果は?
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HOKUTO編集部

21日前

【CMR GUIDE】LVEF36~50%+心筋瘢痕あり、 ICD 1次予防効果は?

【CMR GUIDE】LVEF36~50%+心筋瘢痕あり、 ICD 1次予防効果は?
左室駆出率 (LVEF) 36~50%かつ心臓MRIで心筋瘢痕が確認された虚血性または非虚血性の心筋症の患者を対象に、 植え込み型除細動器 (ICD) と植え込み型ループレコーダー (ILR) を比較した非盲検無作為化比較試験CMR GUIDE試験の主解析の結果から、 主要複合評価項目である心臓突然死 (SCD) または血行動態的に影響を及ぼす心室性不整脈 (hemodynamically significant ventricular arrhythmia ; HSVA) の発生において、 ICD群とILR群の間に有意差は認められなかった。 オーストラリア・Flinders UniversityのJoseph B. Selvanayagam氏が発表した。同試験の詳細は、 JAMA誌2026年8月28日オンライン版¹⁾に掲載された。

背景

ICD適応外のLVEF>35%でもSCDは発生

現行ガイドラインでは1次予防を目的としたICDはLVEF≦35%の患者に限定して推奨されている。 しかし、 この閾値を上回る患者でも多くのSCDが発生しているにもかかわらず、 LVEF>35%の患者の1次予防におけるICDの適応についての推奨は示されていない。

一方、 心臓MRIにおける遅延ガドリニウム造影 (LGE-CMR) は心室性不整脈の基質である心筋瘢痕を可視化できる。 心筋瘢痕はLVEFとは独立してSCDと関連することが示されているが、 瘢痕に基づいたICDの植え込みを判断するアプローチについては確立されたエビデンスが不足している。

研究デザイン

LVEF36~50%の瘢痕陽性例をICDとILRに割付

2015~22年にオーストラリア、 ドイツ、 英国の18施設で至適薬物治療後もLVEF 36~50%で、 LGE-CMRにより心筋瘢痕が認められたNYHA I~III度の虚血性・非虚血性心筋症患者が登録され、 353例が以下の2群に1:1で無作為に割り付けられた。

  • ICD群 (180例)
  • ILR群 (173例)

主要評価項目はSCDまたはHSVAの複合で、 追跡期間中央値は6.3年だった。

試験の結果

主要複合評価項目は差なし

ICD群およびILR群における年齢の中央値はいずれも65歳で、 男性の割合はそれぞれ82%、 83%だった。 虚血性心筋症の割合はICD群で74%、 ILR群で70%、 ベースライン時のLVEF中央値はそれぞれ41%、 40%だった。

主要評価項目 (SCDまたはHSVAの複合) は、 ICD群で180例中14例 (7.8%)、 ILR群で173例中16例 (9.2%) に発生し、 両群間に差は認められなかった (HR 0.76 [95%CI 0.37–1.58]、 p=0.470)。

SCDはICD群で74%リスク低減、 HSVAと全死因死亡は差なし

副次評価項目のSCDはILR群に比べてICD群で74%のリスク低下が認められた (HR 0.26 [95%CI 0.07–0.95]、 p=0.04)。 一方、 HSVAについてはILR群に比べてICD群で数値的に多かったが、 有意な群間差は認められなかった (HR 1.77 [95%CI 0.65–4.81]、 p=0.26)。 全死亡リスクについても有意差は認められなかった (HR 0.91 [95%CI 0.49–1.71]、 p=0.779)。

70歳未満では主要評価項目で減少認める

事前に規定された6つのサブグループ解析では、 年齢のみで有意な交互作用が認められた (交互作用p=0.01)。 70歳未満では主要評価項目はICD群で3.3%、 ILR群で10.0%に発生し、 ILR群に比べてICD群で少なかった (HR 0.28 [95%CI 0.09–0.89])。 一方、 70歳以上における主要評価項目の発生率はICD群で16.9%、 ILR群で7.5%だった (HR 2.33 [95%CI 0.75–7.26])。

QOLはICD群でわずかに不良

Minnesota Living with Heart Failure Questionnaire (MLHFQ) で評価したQOLは追跡期間を通じてILR群に比べてICD群でわずかに不良であった (平均差5.80 [95%CI 2.35–9.26]、 p=0.001)。 デバイス関連の有害事象はICD群で180例中29例、 ILR群で173例中14例に発生したが、 その大部分は軽度であった。

結論

LVEF 36~50%でのICD植え込みの判断に資する初のRCT

Selvanayagam氏は「本試験は、 CMRで定義された瘢痕を有するLVEF 36~50%の患者におけるICD植え込みの判断に資する初の無作為化比較試験である。全体としてはICDによる主要複合評価項目の低減は認められなかったものの、 事前に規定されたサブグループ解析では70歳未満において同評価項目の低減が認められた。 また、 ICD植え込みは副次評価項目のSCDの低減に関連することが示された」 と結論付けた。

出典

1) JAMA. 2026年8月28日オンライン版


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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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