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143日前

【NEJM】AAT欠損症に伴う肝線維症、ファジルシラン投与でZ-AATが大きく低下

Strnad Pらは、 α1-アンチトリプシン(AAT) 欠損症に伴う肝線維症を有する患者を対象に、 RNA干渉治療薬ファジルシランの安全性と有効性を検討する非盲検第Ⅱ相試験を実施. その結果、 ファジルシランは血清中および肝内の Z-AAT 濃度の低下と肝酵素濃度の改善に関連していることが明らかとなった. 本研究はNEJM誌において発表された.

背景

α1-アンチトリプシン (AAT) 欠損症は、 SERPINA1 「Z」変異のホモ接合体の保有によって生じる. Z型遺伝子は、 Z-AATと呼ばれる変異型AATタンパク質を生成し、 これが肝細胞に蓄積されることで、 進行性の肝疾患と線維化を引き起こす.

研究デザイン

  • ホモ接合型のPiZZ遺伝子型を有する肝線維症の成人患者を以下の群に割り付け.
  • ファジルシラン 200 mg:コホート1 (4例) 、 コホート2 (8例)
  • ファジルシラン 100 mg:コホート1b (4例)
  • それぞれ1日目と4週目に皮下投与、 その後12週おきに投与.
  • 主要評価項目: Z-AATの肝内蓄積量の変化 (コホート1、1b:24週時点、 コホート2:48週時点) .

研究結果

有効性評価

  • 全例で肝臓へのZ-AATの蓄積が減少した (24週目または48週目の減少率中央値:83%).
  • 肝内封入体の組織学的な減少も見られた (ベースライン時点の平均スコア:7.4、 24週または48週の治療後の平均スコア:2.3).
  • すべてのコホートで肝酵素濃度が低下した.
  • 24週または48週後の線維化の退縮は15例中7例に確認された. 一方で、 15例中2例で線維化の進行が見られた.

安全性評価

  • 試験や薬剤の中止につながる有害事象はなかった.
  • 重篤な有害事象 (ウイルス性心筋炎、 憩室炎、 呼吸困難、 前庭神経炎) が4件発生したが、 いずれも回復した.

結論

ファジルシランは血清内および肝内の Z-AAT 濃度の強力な低下と同時に肝酵素濃度の改善と関連していた.

原著

Strnad P, et al, Fazirsiran for Liver Disease Associated with Alpha 1-Antitrypsin Deficiency. N Engl J Med. 2022 Jun 25. doi: 10.1056/NEJMoa2205416. PMID: 35748699

👨‍⚕️ HOKUTO監修医コメント
第2相試験でNEJMに掲載されているので、第3相試験はどうなるのか、歴史が語ってくれると思います.

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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