海外ジャーナルクラブ
19日前

Omerovicらは、 急性冠症候群 (ACS) に対して経皮的冠動脈インターベンション (PCI) を施行した成人を対象に、 P2Y12阻害薬のチカグレロルとプラスグレルを比較するレジストリベースの非盲検stepped-wedgeクラスター無作為化比較試験であるSWITCH-SWEDEHEARTを実施。 主要評価項目である1年時の全死亡、 心筋梗塞、 脳卒中の複合イベントの発生については、 標準的に使用するP2Y12阻害薬をチカグレロルとする治療方針の群 (以下、 チカグレロル群) とプラスグレルとする治療方針の群 (以下、 プラスグレル群) で同程度であった。 試験結果はNEJM誌ならびに欧州心臓病学会 (ESC 2026) で報告された。
stepped-wedgeデザインのため、 治療方針と暦時間 (calendar time) が部分的に交絡しており、 時代的変化による残余交絡を完全には除外できません。
🔢 DAPTスコア
PCIを受けたACS患者に対しては、 アスピリンとP2Y12阻害薬による抗血小板薬2剤併用療法 (DAPT) が標準治療として位置付けられているものの、 P2Y12阻害薬のうちプラスグレルとチカグレロルのどちらを優先すべきかについては明らかになっていない。 本試験は、 プラスグレルとチカグレロルの選択を方針レベルで比較する目的で計画された。
SWITCH-SWEDEHEART試験は、 スウェーデンで実施されたレジストリベースの非盲検stepped-wedgeクラスター無作為化比較試験である。 対象はPCIを受けたACSの成人患者で、 7地域を3クラスターに分け、2021~24年に9ヵ月ごとの4期にわたって無作為化された順序で標準的に使用するP2Y12阻害薬をチカグレロルからプラスグレルへ切り替えた。 本試験には計1万7,095例が登録され、 P2Y12阻害薬の治療方針別の内訳は以下の通りであった。
主要評価項目は1年時までの全死亡、 致死性/非致死性心筋梗塞、 致死性/非致死性脳卒中の複合とした*。 intention-to-treat (ITT)解析を行い、 クラスターおよび暦時間で調整した混合モデルを用いて治療方針レベルでの効果を推定した。
患者の平均年齢は69.8±11.5歳で36.8%が75歳以上、 27.8%が女性であった。 病型はST上昇型心筋梗塞 (STEMI) が39.4%、 非ST上昇型心筋梗塞 (NSTEMI) が43.7%、 不安定狭心症が16.8%であった。
1年時の主要評価項目の複合イベントは、 チカグレロル群で11.8%、 プラスグレル群で11.1%に発生し、 プラスグレルを標準とする治療方針による虚血イベントのリスク低下は示されなかった (調整オッズ比0.90, 95%CI 0.77-1.06)。
大出血の発生率は、 チカグレロル群で4.4%、 プラスグレル群で4.2%であった。 クラスターおよび暦時間で調整した解析では、 プラスグレルを標準とする治療方針は大出血リスクの低下と関連していた (調整オッズ比0.80、 95%CI 0.64-0.99)。
著者らは、 「PCIを受けた非選択的なACS患者集団において、 チカグレロルを標準とする方針と比較して、 プラスグレルを標準とする方針は虚血イベントリスクを低下させなかった」 と結論付けている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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