【堺市立総合医療センター】 「教え教えられる文化」 の中で、 研修医が自分たちで創り上げる理想の学び場
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1ヶ月前

【堺市立総合医療センター】 「教え教えられる文化」 の中で、 研修医が自分たちで創り上げる理想の学び場

【堺市立総合医療センター】 「教え教えられる文化」 の中で、 研修医が自分たちで創り上げる理想の学び場
病院のシンボル的モニュメント 「どろんこ坊や」 前で。 左から迫井先生、 鷲尾先生、 北岸先生
一次から三次救急まで幅広く受け入れる堺市立総合医療センター (大阪府) では 「教え、 教えられる文化」 が伝統として根付いているといいます。 日々のレクチャーや研修医主体の勉強会が活発に行われています。

今回は、 プログラム副責任者の天野浩司先生と初期研修医 (2年次) の先生3人に、 研修の特徴について話を聞きました。 3人は北岸 由奈先生、 迫井 直深先生、 鷲尾 隆公先生です。

※インタビューは2026/02/26に実施しました。 肩書、 年次はインタビュー当時のものです。

研修の特徴

2年間、 救急に触れ続ける

――研修の特徴を教えてください。

天野先生

「当院は487床の中規模病院ですが、 救急車の受け入れ台数は2023年以降、 年間1万台を超えています。 救急ローテーションの2ヵ月だけでなく、 当直や日直を通して2年間継続して救急診療に関われる点が特徴です」

「すべての初期対応を担う『ER型』と、 手術や集中治療まで一貫して対応する『独立型』という全国的にも珍しい2本立ての体制を採用しています。 ER型では研修医がファーストタッチを担当します」

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救急外来で患者対応の様子

迫井先生

「上級医が見守っている中で、 かなり主体的に関わることができます。 独立型救急では重症外傷など大学病院レベルの症例も多く、 緊急手術に入る機会やICU管理につながる処置を経験できています」

毎日行われるレクチャー、 実践機会も豊富

――研修の環境はいかがでしょうか?

天野先生

「当院には『教え、 教えられる文化』があります。 上級医が教えるだけでなく、 研修医も学んだことを同期や学生にアウトプットすることで理解を深めていきます」

「教育環境は非常に充実しており、 ほぼ毎日レクチャーが行われています。 ただ、 知識だけに偏ることはありません。 学んだ内容をすぐ現場で試そうとするアクティブな研修医が多いですね」

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手技を実演してレクチャーするプログラム副責任者の天野先生

鷲尾先生

「レクチャーで学んだ内容を、 その日の救急当直で実践できることも多いです。 インプットとアウトプットのバランスがとても良いと感じます」

グラム染色も

天野先生 「研修医がグラム染色を行うのも特徴です。 夜間や休日など臨床検査科が対応していないとき、 自ら染色し抗菌薬選択を考えます。 私が研修医に相談することもあるくらい、 頼もしい存在です」

研修医の声

活発な救急 / 専門性を深められる環境

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救急外来でのGram染色の様子。 自分たちで考えて抗菌薬を選択する

――研修先に選んだ理由を教えてください。

鷲尾先生

「一次から三次まで幅広く受け入れている点です。 当院は脳卒中疑いの患者さんが来た際に救急隊から直接連絡が来る『ブレインコール』の体制があります。 脳神経内科志望なので、 若いうちからtPA療法などに関われる点も魅力でした」

北岸先生

「多くの診療科が揃い、 アクティビティの高い環境を求めていました。 形成外科志望ですが、 病棟急変などにも対応できる力を身につけたいと考え、 救急が活発な当院を選びました」

迫井先生

「見学の際、 研修医の先生方が楽しそうに学んでいたのが印象的でした。 努力することを茶化さない空気があり、 ここで研修したいと思いました」

働き方改革と主体性の尊重が共存

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――忙しさを5段階で評価するといかがですか?

迫井先生

「2~3くらいでしょうか。 臨床教育センターが常に気にかけてくれますし、 メンター制度もあるので安心して研修に取り組めています」

「働き方改革の影響で、 自分から学びに行く姿勢はより重要になりました。 ただ、 こちらからお願いすれば手技や手術に参加させてもらえるので、 『今風』と『昔ながら』の良い部分が両立していると感じます」

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初期研修医同士で談笑する様子

鷲尾先生

「忙しさは3~4くらいです。 ただ、 それが自分の成長につながる忙しさだと感じています」

――研修する前とギャップはありましたか?

北岸先生

「想像以上に上級医との距離が近いことに驚きました。 医局内の研修医ブースから気軽に相談できます」

目標を持って能動的に動く仲間

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毎月1回開催する、 研修医と臨床教育センターの情報交換の場 「研修医全体集会」

――どのような研修医が多いのでしょうか。

北岸先生

「いろいろなタイプの人がいますが、 共通して真面目な人が多い印象です」

迫井先生

「明確な目標を持ち、 そのために今どんな研修をするべきか考えている人が多いです」

天野先生

「月に一度、 研修医全体で集まり研修の課題を話し合っています。 自分たちで改善案を出し、 『自分たちの研修は自分たちで創る』という姿勢が見られます」

迫井先生

「寮が病院の近くなので、 休日も医局に集まってピザを食べながら症例を振り返ることもあります」

病院の雰囲気

コメディカルとも教え合う

――コメディカルの方々との関係性はいかがですか?

鷲尾先生

「経験豊富な看護師が多く、 処置を教えてもらったり一緒に考えてくれたりします」

迫井先生

「研修医からコメディカルの方にレクチャーを依頼することもあります。 MSWには医療制度、 薬剤師には漢方、 理学療法士にはリハビリを教えてもらいました。 日々の連携にも役立っています」

医学生へのメッセージ

リサーチを尽くして後悔のない選択を

――医学生へのメッセージをお願いします。

鷲尾先生

「当直に入れば必ず何かしらの反省がありますが、 一緒に戦ってくれる仲間と指導してくれる上級医がいます。 そんな環境で頑張りたい方をお待ちしています」

北岸先生 「外科志望の私も楽しく研修できています。 主体的に動ける環境なので、 アクティブに学びたい方には合うと思います」

迫井先生

「努力を肯定してくれる雰囲気は当院の魅力です。 自分がどんな医師になりたいかを考えて研修先を選んでください」

天野先生

「初期研修の2年間は医師人生の中でも特別な時間です。 妥協せず、 自分が本当に学びたいことができる病院を選んでください。 当院のスタイルが合う方は、 ぜひ検討していただければ嬉しいです」

先生方のプロフィール

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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