海外ジャーナルクラブ
8ヶ月前
Sappらは、 軽~中等症の心不全患者を対象に、 心臓再同期療法 (CRT) にICDを追加した両心室ペーシング機能付埋込型除細動器 (CRT-D) の5年生存率について比較した多施設共同非盲検試験RAFT (The Resynchronization-Defibrillation for Ambulatory Heart Failure Trial ) の長期成績結果を報告した。 その結果、 同試験の参加者において、 植え込み型除細動器 (ICD) 単独に比べCRT-Dによる生存利益は長期間持続していた。 本研究はNEJM誌において発表された。
研究スタート時点で約66歳、 それから15年間の観察で死亡率がおよそ80%となっています。 RCTなのですが、 Real-world Dataでのeffectivenessを見ているようで意義深いです。
RAFT試験では、 追跡期間平均値40ヵ月の時点で、 CRT-Dによる治療がICD単独治療に比べ、 軽~中等症心不全患者の総死亡および心不全による入院をあわせた複合イベントのリスクが有意に低いことがすでに示されている。 しかし、 さらなる長期生存に対する効果は明らかにされていない。
ニューヨーク心臓協会 (NYHA) 分類Ⅱ度またはⅢ度の心不全を有し、
かつ
または
に該当する患者
主要評価項目 : 総死亡率
副次評価項目 : 総死亡、 心臓移植、 補助人工心臓植込みの複合
全患者
7.7年 (四分位範囲 3.9-12.8年)
生存患者
13.9年 (同12.8-15.7年)
加速係数 0.80 (95%信頼区間 0.69-0.92、 p=0.002)
加速係数 0.85 (95%CI 0.74-0.98)
著者らは 「駆出率の低下とQRS幅の延長を認めるNYHAクラスⅡ/Ⅲの心不全患者において、 CRT-Dによる治療はICD単独治療と比較し、 長期的な生存利益の持続を認めた」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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