海外ジャーナルクラブ
7ヶ月前

Kouraらは、 造血器悪性腫瘍を有し、 HLA 8/8適合の血縁者または非血縁者ドナーから同種移植を受ける患者を対象に、 移植後シクロホスファミド (PTCy) +T細胞選択的共刺激調節薬アバタセプト併用による慢性移植片対宿主病 (GVHD) の予防効果を、 タクロリムス+メトトレキサートを対照として第Ⅱ相非盲検無作為化比較試験で比較評価した。 その結果、 PTCy+アバタセプト併用により、 慢性GVHD発症率の有意な低減およびGVHDのない無再発生存 (GRFS) 率の有意な改善が示され、 忍容性も良好であった。 本研究はBlood Adv誌において発表された。
この試験は、 単施設・小規模で実施されたこと、 再発リスクによる層別化が行われておらず、 各群の症例数が不均等で、 稀な副作用の検出が困難であった点が主なlimitationです。
GVHD予防のためのアバタセプトの最適な投与期間はいまだ不明確である。 先行研究により、 アバタセプトのトラフ濃度上昇は、 急性GVHDリスクの低下と関連しており、 曝露量と毒性との関連は認められない¹⁾ことが明らかになっている。
さらに、 他の研究では3回投与よりも4回投与でGVHD予防効果が改善することが示されているものの²⁾、 慢性GVHDに対しては4回投与の効果が認められなかった³⁾。 このことから、 投与スケジュールの延長が潜在的に有効であることが示唆された。
そこで本研究では、 PTCy+アバタセプト併用による慢性GVHDの予防効果を検討するため、 第Ⅱ相非盲検無作為化比較試験を実施した。
造血器悪性腫瘍を有し、 HLA 8/8適合の血縁者または非血縁者ドナーから同種移植を受ける患者40例が以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
全患者に末梢血幹細胞を移植した。
主要評価項目は、 1年時の中等度および重度の慢性GVHDであった。 米食品医薬品局 (FDA) がGVHD予防薬としてアバタセプトを承認し、 施設のSOCが変更されたため、 試験はPTCy+アバタセプト群のみの登録に修正された。 PTCy+アバタセプト群には25例、 SOC群には15例が登録された。
本試験は主要評価項目を達成した。 1年時の中等度・重度の慢性GVHD発症率推定値は、 PTCy+アバタセプト群が0%であり、 SOC群の65.8%と比べて有意に低減した (p<0.0001)。
GVHDのない無再発生存 (GRFS) 率は、 PTCy+アバタセプト群が62.5%であり、 SOC群の24.1%と比べて有意に改善した (p=0.010)。
全生存 (OS) 率は、 PTCy+アバタセプト群が92%、 SOC群が80%、 無病生存 (DFS) 率はそれぞれ68%、 92.9%であり (それぞれp=0.28、 p=0.105)、 1年感染率を含め同等であった。
Grade3/4の急性GVHDの発生率はPTCy+アバタセプト群が4.2%、 SOC群が21.4%であった (p=0.092)。
治療関連死はPTCy+アバタセプト群では報告されず、 SOC群では2例が報告された。
PTCy+アバタセプトは制御性T細胞 (Treg) の増殖を保持し、 CD16+CD56dim細胞傷害性ナチュラルキラー (NK) 細胞を増加させた。
著者らは 「PTCy+アバタセプト併用療法は忍容性が良好であり、 慢性GVHDの低減とGRFSの改善に関連していた」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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