海外ジャーナルクラブ
1年前
Cairncrossらは、 2003〜16年に癌と診断された閉経前の女性 (18~50歳) を対象に、 妊娠関連癌 (妊娠中または産後1年以内に診断) の長期的な転帰と死亡リスクについて、後ろ向きコホート研究で検討。 その結果、 妊娠関連癌は全体として5年死亡率の増加と関連するが、 その死亡リスクは部位により異なることが明らかとなった。 本研究はJAMA Oncol誌にて発表された。
妊娠関連癌が高い死亡リスクであるが、 部位によってそれが異なる、 との結論です。 データをよくみますと妊娠中に診断された癌の調整死亡リスク<1は脳腫瘍のみですので、 やはり積極的な癌スクリーニングが必要なのではないでしょうか?ただ、 制度とするには、 莫大な費用が問題となります。
乳癌以外の妊娠関連癌患者の転帰は、 比較的研究対象とされていない。 このユニークな患者グループのケアに情報を提供するためには、 追加のがん部位からの高品質なデータが必要である。
2003〜16年に癌と診断された閉経前の女性 (18~50歳)。
参加者は妊娠中、 産褥期、 または妊娠から離れた時期に癌と診断された症例に分類された。
1年および5年後のOSおよび診断から何らかの原因により死亡を認めるまでの期間。
1年生存率は3群間で同程度だった。
妊娠中または産後に癌と診断された患者の方が低かった。
妊娠関連癌の死亡リスクは全体として、 妊娠中に診断された患者 (aHR 1.79、 95% CI 1.51-2.13) および産後に診断された患者 (aHR 1.49、 95%CI 1.33-1.67) で高かったが、 この結果は癌の部位によって異なっていた。
妊娠中に診断された癌
産後に診断された癌
この人口ベースのコホート研究では、 妊娠に関連する癌は、 すべての癌の部位が同じリスクを示すわけではないが、 全体の5年死亡率が増加することが示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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