【JAMA Oncol】妊娠関連癌の死亡リスク、部位により異なると判明
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海外ジャーナルクラブ

10ヶ月前

【JAMA Oncol】妊娠関連癌の死亡リスク、部位により異なると判明

【JAMA Oncol】妊娠関連癌の死亡リスク、部位により異なると判明
Cairncrossらは、 2003〜16年に癌と診断された閉経前の女性 (18~50歳) を対象に、 妊娠関連癌 (妊娠中または産後1年以内に診断) の長期的な転帰と死亡リスクについて、後ろ向きコホート研究で検討。 その結果、 妊娠関連癌は全体として5年死亡率の増加と関連するが、 その死亡リスクは部位により異なることが明らかとなった。 本研究はJAMA Oncol誌にて発表された。

📘原著論文

Long-term Mortality in Individuals Diagnosed With Cancer During Pregnancy or Postpartum.JAMA Oncol. 2023 Apr 6;e230339. PMID: 37022714

👨‍⚕️監修医師のコメント

妊娠関連癌が高い死亡リスクであるが、 部位によってそれが異なる、 との結論です。 データをよくみますと妊娠中に診断された癌の調整死亡リスク<1は脳腫瘍のみですので、 やはり積極的な癌スクリーニングが必要なのではないでしょうか?ただ、 制度とするには、 莫大な費用が問題となります。


背景

乳癌以外の妊娠関連癌患者の転帰は、 比較的研究対象とされていない。 このユニークな患者グループのケアに情報を提供するためには、 追加のがん部位からの高品質なデータが必要である。

研究デザイン

対象

2003〜16年に癌と診断された閉経前の女性 (18~50歳)。

曝露

参加者は妊娠中、 産褥期、 または妊娠から離れた時期に癌と診断された症例に分類された。

  • 妊娠中:1,014例
  • 産褥期:3.074例
  • 妊娠から離れた時期にがんと診断された者:20,219例

主要評価項目

1年および5年後のOSおよび診断から何らかの原因により死亡を認めるまでの期間。

研究結果

1年生存率

1年生存率は3群間で同程度だった。

5年生存率

妊娠中または産後に癌と診断された患者の方が低かった。

妊娠関連癌の死亡リスク

妊娠関連癌の死亡リスクは全体として、 妊娠中に診断された患者 (aHR 1.79、 95% CI 1.51-2.13) および産後に診断された患者 (aHR 1.49、 95%CI 1.33-1.67) で高かったが、 この結果は癌の部位によって異なっていた。

妊娠中に診断された癌

  • 乳癌:aHR 2.01、 95%CI 1.58-2.56
  • 卵巣癌:aHR 2.60、 95%CI 1.12-6.03
  • 胃癌:aHR 10.37、 95%CI 3.56-30.24

産後に診断された癌

  • 乳癌:aHR 1.61、 95%CI 1.32-1.95
  • 脳腫瘍:aHR 2.75、 95%CI 1.28-5.90
  • 悪性黒色腫:aHR 1.84、 95%CI 1.02-3.30

結論

この人口ベースのコホート研究では、 妊娠に関連する癌は、 すべての癌の部位が同じリスクを示すわけではないが、 全体の5年死亡率が増加することが示された。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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