インタビュー
3ヶ月前
聖隷三方原病院 (静岡県) は、 研修医に様々な価値観や視点を養ってもらえるよう、 研修に生成AIの活用法や医療以外でのビジネススキルといったユニークなテーマを取り入れています。 今回は、 “ややハイパー”という研修の特徴や病院の雰囲気などについて、 臨床研修センター長の眞喜志剛先生、 初期研修医 (1年次) の牛田宏樹先生、 初期研修医 (同) の手塚美羽先生、 初期研修医 (同) の白川礁先生に話を聞きました。
――研修の特徴を教えてください。
眞喜志センター長
「研修医が求める『症例数の多さ』は、 単なる経験数ではなく、 教育的なフィードバックや学会発表の機会が保障されていることだと捉えています。 研修医の満足度を最優先に考え、 症例から何を学び、 次にどう活かすかを意識した教育を提供しています」
「当院の研修プログラムは『ややハイパー』です。 それが負担感に直結しないように支援体制や研修環境を整えています」
――『ややハイパー』という評価について、 実際に研修を経験されてどう感じていますか?
牛田先生
「事前に情報収集をしていたので、 『楽な研修にはならないだろう』と心構えをしていました。 実際には心身ともに健康に過ごせており、 非常にバランスの良い研修生活が送れています」
手塚先生
「ややハイパーから普通くらいで、 想像通りでした。 当直明けが休みになっているので大変ありがたいです」
―― 「レジデントデイ」 とは何ですか。
眞喜志センター長
「月に1回、 研修医が診療から完全に解放される日のことです。 救急外来での教訓的な症例を振り返ったり、 調査や文献レビューを行ってもらったりして、 ディスカッションを通じて知識を深める場を提供しています」
「医学以外の学びにも力を入れており、 最近では、 生成AIの活用法や医療者に求められるビジネススキルなどをテーマにしたディスカッションもしました。 医療者が考える価値観と患者や社会が求める価値観のギャップを捉えるためには、 経営学的な視点を持つことも大事だと考えています」
牛田先生
「普段の医療教育では触れないようなテーマのセッションが行われることもあり、 視野が広がります。 病院で行われる教育としてはユニークですが、 楽しく学べています」
――聖隷三方原病院を研修先に選んだ理由、 研修の感想を教えてください。
牛田先生
「精神科志望なので、 精神科救急をやっている点が魅力的でした。 精神科的なアプローチに加えて身体的なことも学べるので、 まさに自分の求めていたことを経験できていると感じます」
手塚先生
「医学部受験のときから緩和ケアに興味を持っていて、 当院が日本で初めてホスピス病棟を作った病院だと知ったからです。 病院見学で医師とコメディカルの関係がとても良く、 この病院なら2年間頑張れると確信しました」
白川先生
「研修医がドクターヘリに乗れる点に惹かれました。 実際に研修を始めてみて、 想像以上に充実した研修内容に驚いています」
――研修医を支える環境について教えてください。
眞喜志センター長
「医師に限らずコメディカルスタッフとの関係性がとても良好で、 部門間での衝突や軋轢がほとんどありません」
白川先生
「研修医に処置をさせてくれる場面も多く、 病院全体で研修医を育てようとする雰囲気をはっきりと感じます」
――医学生にメッセージをお願いします。
眞喜志センター長
「心身の健康を守りながら2年間を完走することが何より重要です。 当院では直近の10年間で研修医が途中離脱したことはなく、 研修医にとって良い環境が提供できていると自負しています。 ぜひ選択肢の一つとして考えていただけたら嬉しいです」
牛田先生
「モチベーションが高い人はもちろん、 2年間をしっかり完走することを目標にする人にも適した環境です。 忙しいイメージがあるかもしれませんが、 非常に温かい雰囲気で、 同期や指導医とともに乗り切ることができます。 安心して挑戦してください」
手塚先生
「急性期から慢性期まで対応しているため、 診療科が決まっていない方でも成長できる環境が整っています」
白川先生
「当院は、 大学病院と市中病院のいいとこ取りをしたような病院です。 初期研修を終える頃には大きく成長した自分を感じられると思います」
▶聖隷三方原病院 ホームページ
▶同病院 初期臨床研修医募集ページ ホームページ
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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