海外ジャーナルクラブ
5ヶ月前
Marvasoらは、 異時性オリゴ転移ホルモン感受性前立腺癌患者を対象に、 定位放射線治療 (SBRT) とアンドロゲン除去療法 (ADT) の併用により臨床的無増悪生存期間 (cPFS) が改善するかどうかを単施設第Ⅱ相非盲検対照無作為化比較試験RADIOSAで検討した。 その結果、 ADT併用によりSBRT療法単独と比較してcPFSが改善することが明らかになった。 研究結果はLancet Oncol誌に発表された。
limitationに、 中間解析の結果プロトコルが修正され、 当初のサンプルサイズと異なる点が挙げられています。
【GROUQ-PCS 9】オリゴ転移CRPC、 標準全身療法にSBRT併用でrPFSが約2倍に
転移指向療法としての定位放射線治療 (SBRT) は、 オリゴ転移性前立腺癌の臨床転帰を改善することが示されている。
同研究では、 すべてのオリゴ転移部位に対するSBRTに短期アンドロゲン除去療法 (ADT) を併用することにより、 SBRT単独と比較して異時性オリゴ再発ホルモン感受性前立腺癌患者の臨床的無増悪生存期間 (cPFS) が改善するかどうかを検討することを目的とした。
イタリアで実施されたRADIOSA試験の主な適格基準は以下の通りであった。
患者はSBRT単独群とADT併用群に1:1で無作為に割り付けられた。 SBRT治療では30Gyを隔日3分割、 あるいは病変部位に合わせたレジメンを用いて、 ADT併用群では黄体形成ホルモン放出ホルモンアナログ製剤によるADTをSBRT開始1週間に開始し、 6ヵ月間実施した。
主要評価項目は臨床的無増悪生存期間 (cPFS) であり、 すべての解析は修正intention-to-treatに従い、 治療群に割り付けた患者のうち、 データが入手できた全患者を対象とした。
2019年8月1日~23年4月30日に218例が適格性を評価され、 計105例 (SBRT単独群52例、 ADT併用群53例) が無作為に割り付けられた。 3例が追跡不能となり、 最終的に各群51例のデータを解析した。 登録時の年齢中央値は70歳 (IQR 65–75歳) であり、 追跡期間中央値は31ヵ月 (IQR 16-36ヵ月) であった。
主要評価項目のcPFS中央値は以下の通りであった。
HR 0.43 (95%CI 0.26–0.72)、 p=0.0010
Grade 1の消化管有害事象が1例 (SBRT単独群)、 Grade 3の泌尿器有害事象 (左尿管狭窄) が1例 (ADT併用群) 報告され、 晩期毒性は認められなかった。 ADTに起因するGrade 1の有害事象が22件報告されたが、 最終追跡時には全例で消失していた。 治療に起因する死亡は報告されなかった。
著者らは「今回の結果から、 転移巣に対する治療により全身治療の増量を遅らせることができる可能性が示唆された。 ADTの最適な期間やSBRT療法の効果を予測するバイオマーカーの特定が求められる」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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