Beyond the Evidence
1年前
「Beyond the Evidence」 では、 消化器専門医として判断に迷うことの多い臨床課題を深掘りし、 さまざまなエビデンスや経験を基に、 より最適な解決策を探求することを目指す企画です。 気鋭の専門家による充実した解説、 是非参考としてください。
食道扁平上皮癌術後に、 局所にリンパ節再発を来した場合、 どのような治療を行うか?
再発したリンパ節が、 ①切除可能であれば外科的切除を検討し、 ②切除不能であるが全ての病変に対して放射線照射が可能であれば、 化学放射線療法が検討される。 ③切除不能かつ全ての病変に放射線照射が困難な場合は緩和的な薬物療法を検討する。
JCOG1109 (NExT) 試験の結果から、 術前ドセタキセルとシスプラチン、 5-FU併用療法 (neoDCF) とリンパ節郭清を伴う食道切除術である¹⁾。 しかし、 術後にリンパ節や肝、 肺転移といった再発を来す症例が報告されており、 その中でもリンパ節再発の頻度は比較的高く報告されている。 ただしリンパ節再発に対する治療アプローチは、 解剖学的な要素や治療経過における要素を加味して決められることが多く、 慎重な治療選択が求められる。
①リンパ節再発を来すも切除可能の場合
頸部リンパ節転移の単発再発などリンパ節再発を来すも切除可能な場合は、 外科的切除が第一に検討される。
②切除不能だが放射線照射可能
次に、 切除不能であるが再発リンパ節の全てに放射線照射が可能な場合には、 化学放射線療法が選択される。 この領域のまとまったデータは乏しいが、 昨年報告された本邦の多施設共同研究(シスプラチンと5-FU、 またはネダプラチンと5-FU併用療法に放射線照射60Gyを受けた症例を対象)の結果から、 完全奏効割合は49.0%、 無増悪生存期間中央値は8.2カ月、 3年無増悪生存割合が22.9%と報告されている²⁾。
この結果を鑑みると、 一部の食道扁平上皮癌の症例では、 再発するも長期奏効が得られていると考えられる。 そのため、 リンパ節再発であっても病変に放射線照射が可能な場合には、 化学放射線療法が選択肢になりうる。 この点は実は非常に重要で、 欧米では食道癌術前標準治療は化学放射線療法であるが、 その場合に再発を来すと放射線照射が困難なケースが多い。
しかし、 本邦の食道癌術前標準治療は化学療法であるため、 術後再発を来しても放射線照射が可能なケースが多い。 この点は、 本邦の食道癌周術期治療ストラテジーの優れている点と考えられる。
③切除不可能かつ放射線照射が困難
最後に切除不能かつ放射線照射が困難な場合には、 緩和的な薬物療法として、 シスプラチンと5-FU併用療法にニボルマブ (FP+Nivo)³⁾やペムブロリズマブ (FP+Pem)⁴⁾、 またはニボルマブとイピリムマブ併用療法 (IPI+Nivo)³⁾を選択する。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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