亀田総合病院
10ヶ月前
亀田総合病院リウマチ・膠原病・アレルギー内科が、 膠原病に興味を持たれている初期研修医の方、 膠原病の勉強を始めたばかりの後期研修医の方に向けてお役立ち情報をお届けします。 第2回は、 「目を通しておきたいリウマチ・膠原病関連のジャーナル5選」 をご紹介します (解説医師 : 亀田総合病院 葉末亮氏)。
【IF】25.4 【刊行】月1 >>公式HPはこちら
2019年9月から発行されているLancetの分野別journalの1つで、 わずか数年でリウマチ界の最高IFジャーナルに上り詰めた著名雑誌です。 2022年のインパクトファクター(IF)では3位と、 わずかに後退しました。
内容はコホート研究が多いため、 膠原病の臨床を始めたばかりの医師でも抵抗なく読めるところが魅力です。 レビューは各分野の第一人者が担当していることが多く、 基本的な情報から最新情報まで網羅されており、 必読です。 ただし基礎免疫系の記事がほとんどないため、 病態生理を深掘りしたい場合には他の文献に当たる必要があります。
【IF】33.7 【刊行】月1 >>公式HPはこちら
泣く子も黙るNature Review系ジャーナルの1つです。 例年2月号に特集される 「Year in Review」 は前年話題になった内容を分野ごとにまとめてくれており、 Lancet Rheumatologyと同様に必読といえます*。 それらの引用文献もおさえておくと、 なお良いでしょう。
基礎系から臨床系の内容まで幅広くカバーされていますが、 内容はやや難しいものが多いため、 まずは興味のある分野から挑戦していきましょう。 抄読会用の論文選びに困った際は 「Research Highlight」 に取り上げられている論文から選べばまず問題ありません。 また、 各論文の図 (figure) が非常に綺麗であり、 スライド作りの際に重宝します。
【IF】27.4 【刊行】月1 >>公式HPはこちら
European Alliance of Assoications for Rheumatology (EULAR;欧州リウマチ学会) の機関誌。 なぜ略して 「EULAR」 なのかと思われるかもしれませんが、 以前は 「European League Against Rheumatism (欧州リウマチ連盟) 」 と呼ばれていた名残からです。
「EULAR recommendation」 は数年ごとに改訂される各疾患のガイドライン的な位置付けであり、 前回からの変更点は押さえておく必要があります。 大規模な無作為化比較試験 (RCT) が掲載されることも多いため、 それらはしっかりピックアップしましょう。 近年はトランスレーショナルリサーチ (TR : 橋渡し研究) の掲載が増えてきており、 初学者の方には 「やや取っ付きにくいジャーナル」 という印象を持たれるかもしれません。
【IF】13.3 【刊行】月1 >>公式HPはこちら
American College of Rheumatology (ACR : 米国リウマチ学会) の機関誌。 以前は 「Arhritis and Rheumatism」 でしたが、 2014年から現在の名前に変更されました。
「ACR guideline」 は 「EULAR recommendation」 と並び、 リウマチ・膠原病領域の標準治療を学ぶのに最適です。 疾患の分類や、 一部のガイドラインはEULARと共同で作成されることもありますが、 関節リウマチなどそれぞれが独立して改訂し続けている分野も多く残っているため、 その違いを把握しておくと理解が深まります。
ARDと同様、 近年はTRの掲載が増えてきています。 また、 もう少し図 (Figure) がきれいになったらよいのに、 と筆者は思っています。
【IF】5.1 【刊行】奇数月 >>公式HPはこちら
上記4つと比較するとIFで劣るように見えますが、 筆者が膠原病を学び始めたときに非常にお世話になった思い出深いジャーナルです。 内容は臨床のものが多く、 各回にテーマが設けられているという特徴があります。 論文一つひとつが短めに設定されていることから、 飽きる前に読み終えることができます。
また、 重要度に応じて引用文献に 「■ : of special interest」 「■■ : of outstanding interest」 のマークが付けられており、 要点をおさえながら勉強するのに役立ちます。
上記以外にもたくさんの重要なジャーナルがありますが、 まずは自分にあったものを見つけて、 定期的にチェックし続ける習慣をつけることが大事だと思います。
2019年4⽉、 前任から引継ぎ現在の体制となり、 若⼿医師が研鑽に集まるようなチーム運営を⽬指しています。 2019年4⽉の⽴ち上げ時には部⻑含め3⼈でスタートし、 2024年2⽉現在はスタッフ5人、 専攻医2人の体制となっています。 毎日開催の勉強会、 海外直伝のエコー診療など誰が来ても必ず勉強になる環境を整えています。
興味のある先⽣はぜひrokutanda.ryo@kameda.jpまでご連絡ください。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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