海外ジャーナルクラブ
10日前
Zeiserらは、 ステロイド抵抗性または依存性の慢性移植片対宿主病 (SR/D-cGVHD) に対するJAK阻害薬ルキソリチニブの長期的な有効性および安全性を第III相国際多施設共同無作為化比較試験REACH3の3年時最終解析で評価した。 その結果、 ルキソリチニブの治療成功生存期間 (FFS) と奏効持続期間 (DOR) は担当医師選択による最良の治療 (BAT) と比べて長く、 3年間にわたる持続的な有効性と管理可能な安全性が示された。 研究結果はJ Clin Oncol誌に発表された。
対照群において担当医師の裁量によりbest available therapy (BAT) を選択する設計は、 感染症や血液領域で見られるアプローチであり、 今後他の領域でも広まっていくと思われます。
第III相試験REACH3の主要解析では、 ステロイド抵抗性または依存性の慢性移植片対宿主病 (SR/D-cGVHD) 患者において、 24週時でルキソリチニブが担当医師選択による最良の治療 (BAT) と比べて優れていることが実証された¹⁾。 同結果を基に、 ルキソリチニブは12歳以上のステロイド投与で効果不十分な慢性移植片対宿主病 (cGVHD) の治療薬として承認され、 欧州血液骨髄移植学会のガイドラインでは第2選択治療薬として推奨されている²⁾ 。
そこで今回は、 同試験の最終解析として、 ルキソリチニブの3年間にわたる長期的な有効性および安全性を評価した。
ステロイド抵抗性または依存性の慢性移植片対宿主病 (SR/D-cGVHD) 患者329例が以下の2群に割り付けられた。
それぞれ24週投与され、 その後 (24~156週) は割り付けられた治療の継続、 長期生存追跡調査への移行、 またはBAT群からルキソリチニブ群へのクロスオーバーが行われた。
FFS中央値は、 ルキソリチニブ群が38.4ヵ月、 BAT群が5.7ヵ月であった (HR 0.36 [95%CI 0.27-0.49])。
DOR中央値は、 ルキソリチニブ群が未到達、 BAT群が6.4ヵ月であった。
36ヵ月時のFFS率はルキソリチニブ群が56.5%、 BAT群が18.2%、 DOR率はルキソリチニブ群が59.6%、 BAT群が26.7%で、 いずれもルキソリチニブ群で高値を示した。
BAT群からルキソリチニブ群にクロスオーバーした70例では、 24週時の全奏効率 (ORR) は50.0%、 クロスオーバー期間中の最良奏効 (BOR) 率は81.4%と、 割り付けられた患者の主要解析結果と一貫していた。
全生存期間 (OS) 中央値は両群とも未到達であり、 非再発死亡や悪性腫瘍の再発/再燃イベントの割合は低かった。
管理可能な安全性プロファイルを示し、 新たな安全性シグナルは検出されなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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