海外ジャーナルクラブ
8ヶ月前
Caoらは、 軽症~中等症の新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の成人患者を対象に、 3-キモトリプシン様プロテアーゼ阻害薬simnotrelvir+抗ウイルス薬リトナビル併用療法が症状消失までの時間に及ぼす影響について、 第II/III相プラセボ対照二重盲検無作為化比較試験で検討した。 その結果、 simnotrelvir+リトナビルの早期投与はプラセボに比べて症状消失までの時間が短縮され、 ウイルス量の減少も認められた。 本研究NEJM誌において発表された。
Simnotrelvir (SIM0417) は中国国産初の3CLプロテアーゼ阻害薬です。 しっかりとした有効性と安全性が証明されており、 抗インフルエンザ薬のように汎用性の高い薬剤となりうるかどうか注目されます。
simnotrelvirは、 in vitroでCOVID-19に対する活性を示すことが見いだされ、 第Ib相試験で有用である可能性が示されていた。
軽症~中等症のCOVID-19を有し、 症状発現後3日以内の患者
患者を1 : 1の割合で以下の2群に無作為に割り付けた
持続的なCOVID-19症状消失までの時間
安全性、 ウイルス量のベースラインからの変化
持続的なCOVID-19症状消失までの時間中央値は、 simnotrelvir群がプラセボ群に比べて有意に短かった。
群間差中央値 -35.8時間 (95%CI -60.1~-12.4、 p=0.006)
投与5日目におけるウイルス量のベースラインからの減少は、 simnotrelvir群がプラセボ群に比べて大きかった。
平均群間差 -1.51log₁₀コピー/mL (95%CI 1.79~-1.24log₁₀コピー/mL)
初回投与から29日目までの有害事象の発現率はsimnotrelvir群がプラセボ群に比べて高率に認められた (29.0% vs 21.6%) が、 そのほとんどは軽度~中等度であった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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