海外ジャーナルクラブ
1年前
Stenbergらは、 腹腔鏡下胃バイパス術 (LRYGB) が予定されている重度の肥満患者を対象に、 腸間膜欠損の閉鎖の長期的な安全性と有効性をランダム化比較試験で検討。 その結果、 腸間膜欠損閉鎖群は非閉鎖群に比べ、 小腸閉塞 (SBO) の再手術率が有意に低下した。 本研究はJAMA Surg誌において発表された。
本研究の最大の特徴がregistry-based RCTです。 これはあらかじめレジストリーに登録されていた患者をスクリーニングして組入基準に合致する患者を選択してRCTを行います。 そうすることによって実施が困難な領域でも短期間で、 しかもコストをかけずに行うことができます。
腸間膜欠損の閉鎖はLRYGB手術時のSBOを伴う内ヘルニアのリスクを低減するが、 術後早期の空腸吻合のキンクのリスクを高める可能性がある。 しかし,我々の知る限り、SBOのリスクやオピオイドの使用という観点から、この介入による長期結果を報告した臨床試験は存在しない。
LRYGB手術を受けた重度の肥満患者
患者は以下の群に1:1の割合で無作為に割り付けられた。
SBOに対する再手術
LRYGBにおける腸間膜欠損閉鎖後のSBOの長期的なリスク低下が認められた。 この知見は、LRYGB時のこの手技のルーチン使用を検討すべきことを示唆している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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