海外ジャーナルクラブ
1年前
Maherは特発性肺線維症 (IPF) 患者を対象に、 開発中の新規オートタキシン阻害薬ziritaxestatの有効性と安全性を2件の第Ⅲ相ランダム化比較試験(ISABELA 1、 ISABELA 2)で検討 。 その結果、 ziritaxestatはプラセボと比較してIPF患者の臨床転帰を改善しなかった。 本研究はJAMA誌において発表された。
Negative resultですが、 しっかりとしたRCTのデザインでJAMAのメインの雑誌に掲載されていることに大きな意義があります。 EditorialにもThere is an urgent need for better treatments for IPFと書かれていますが、 今後も多くの薬剤が検討されて、 その中で真の効果のある薬剤が出てくることを期待します。
IPFに対する有効で忍容性の高い治療法の必要性は大きい。
IPF患者1,306例
患者を以下の群に1:1:1の割合でランダムに割り付け。
ピルフェニドン、 ニンテダニブ、 またはそのどちらでもない標準治療に加えて、 上記薬剤を1日1回、 52週間以上投与。
52週時点における努力肺活量 (FVC) の年間減少率
病勢進行、 呼吸器関連の初回入院までの期間、 SGRQ総スコアのベースラインからの変化
独立データ・安全性モニタリング委員会は、 ziritaxestatのリスクに対する効果のプロファイルが、もはや試験の継続を支持しないと判断したため、 試験は早期に中止された。
いずれの試験においても、 ziritaxestatはプラセボと比較して、 FVCの年間減少率を改善しなかった。
ISABELA 1試験
ISABELA 2試験
主要な副次評価項目については、 ziritaxestatのプラセボに対する有益性は認められなかった。
ISABELA 1試験
ISABELA 2試験
ピルフェニドンまたはニンテダニブによる標準治療を受けているIPF患者、 または標準治療を受けていない患者におい、 ziritaxestatはプラセボと比較して臨床転帰を改善しなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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