【JAMA】新規オートタキシン阻害薬ziritaxestat、IPFの転帰改善せず
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【JAMA】新規オートタキシン阻害薬ziritaxestat、IPFの転帰改善せず

【JAMA】新規オートタキシン阻害薬ziritaxestat、IPFの転帰改善せず
Maherは特発性肺線維症 (IPF) 患者を対象に、 開発中の新規オートタキシン阻害薬ziritaxestatの有効性と安全性を2件の第Ⅲ相ランダム化比較試験(ISABELA 1、 ISABELA 2)で検討 。 その結果、 ziritaxestatはプラセボと比較してIPF患者の臨床転帰を改善しなかった。 本研究はJAMA誌において発表された。

📘原著論文

Ziritaxestat, a Novel Autotaxin Inhibitor, and Lung Function in Idiopathic Pulmonary Fibrosis: The ISABELA 1 and 2 Randomized Clinical Trials. JAMA. 2023 May 9;329(18):1567-1578. PMID: 37159034

👨‍⚕️監修医師のコメント

Negative resultですが、 しっかりとしたRCTのデザインでJAMAのメインの雑誌に掲載されていることに大きな意義があります。 EditorialにもThere is an urgent need for better treatments for IPFと書かれていますが、 今後も多くの薬剤が検討されて、 その中で真の効果のある薬剤が出てくることを期待します。

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背景

IPFに対する有効で忍容性の高い治療法の必要性は大きい。

研究デザイン

対象

IPF患者1,306例

  • ISABELA 1試験:525例
  • ISABELA 2試験:781例

介入

患者を以下の群に1:1:1の割合でランダムに割り付け。

  • ziritaxestat 600mg投与群
  • ziritaxestat 200mg投与群
  • プラセボ群

ピルフェニドン、 ニンテダニブ、 またはそのどちらでもない標準治療に加えて、 上記薬剤を1日1回、 52週間以上投与。

主要評価項目

52週時点における努力肺活量 (FVC) の年間減少率

副次評価項目

病勢進行、 呼吸器関連の初回入院までの期間、 SGRQ総スコアのベースラインからの変化

研究結果

独立データ・安全性モニタリング委員会は、 ziritaxestatのリスクに対する効果のプロファイルが、もはや試験の継続を支持しないと判断したため、 試験は早期に中止された。

主要評価項目

いずれの試験においても、 ziritaxestatはプラセボと比較して、 FVCの年間減少率を改善しなかった。

ISABELA 1試験

  • ziritaxestat 600mg群:-124.6mL (95%CI -178.0--71.2mL)
  • プラセボ群:-147.3mL (95%CI -199.8--94.7mL)
群間差 22.7mL (95%CI -52.3-97.6mL
  • ziritaxestat 200mg群:-173.9mL (95%CI -225.7--122.2 mL
プラセボとの差 -26.7mL (95%CI -100.5-47.1mL)

ISABELA 2試験

  • ziritaxestat 600m群:-173.8mL (95%CI -209.2--138.4mL)
  • プラセボ群:-176.6mL (95%CI -211.4--141.8mL)
群間差 2.8 mL (95%CI -46.9-52.4mL)
  • ziritaxestat200 mg群:-174.9mL (95%CI -209.5--140.2mL)
プラセボとの差 1.7 mL (95%CI -47.4-50.8mL)

副次評価項目

主要な副次評価項目については、 ziritaxestatのプラセボに対する有益性は認められなかった。

全死因死亡率

ISABELA 1試験

  • ziritaxestat 600mg群:8.0%
  • ziritaxestat200mg群:4.6%
  • プラセボ群:6.3%

ISABELA 2試験

  • ziritaxestat 600mg群:9.3%
  • ziritaxestat200mg群:8.5%
  • プラセボ群:4.7%

結論

ピルフェニドンまたはニンテダニブによる標準治療を受けているIPF患者、 または標準治療を受けていない患者におい、 ziritaxestatはプラセボと比較して臨床転帰を改善しなかった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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