【NEJM】心停止ドナー心は脳死ドナー心に非劣性:心臓移植後6カ月生存率
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【NEJM】心停止ドナー心は脳死ドナー心に非劣性:心臓移植後6カ月生存率

【NEJM】心停止ドナー心は脳死ドナー心に非劣性:心臓移植後6カ月生存率
Schroderらは、 成人の心臓移植患者を対象に、 心停止後のドナー心臓と脳死後のドナー心臓の移植成果をランダム化比較試験で検討。 その結果、 心停止後に体外非虚血性灌流を用いて蘇生・評価したドナー心臓の移植後6カ月目のリスク調整生存率は、 脳死後に低温保存法で保存したドナー心臓による標準移植と比較して、 非劣性であることが示された。 本研究はNEJM誌において発表された。

📘原著論文

Transplantation Outcomes with Donor Hearts after Circulatory Death. N Engl J Med. 2023 Jun 8;388(23):2121-2131.PMID: 37285526

👨‍⚕️監修医師のコメント

心停止による心臓移植を今後広く採用する方針となる元研究です。 3:1の割り付けの部分は気になりますが、 現実的なドナー数から止むを得ないと思います。


背景

心停止後のドナーから得た心臓を脳死後のドナーから得た心臓と比較して移植した場合の有効性と安全性を示すデータは限られている。

研究デザイン

対象

成人の心臓移植候補者

介入

移植候補者を3:1の割合で以下の群に割り付け

  • 心停止ドナー群:心停止後の心臓、 または脳死後のドナーの心臓が先に入手できた場合にその心臓を受け取る群
  • 脳死ドナー群:脳死後に従来の低温保存法を用いて保存された心臓のみを受け取る群

主要評価項目

脳死群と比較した、 心停止群における移植6カ月後のリスク調整生存率

主要安全評価項目

移植後30日の心臓移植片に関連する重篤な有害事象

研究結果

リスク調整後の6カ月生存率

  • 脳死ドナーからの心臓移植群:90% (95%CI 84~97)
  • 心停止ドナーからの心臓移植群:94% (95%CI 88~99)
最小二乗平均差 -3%ポイント、 90%CI -10-3
非劣性に関するP<0.001(マージン 20%ポイント)

心臓移植片に関連する重篤な有害事象

移植後30日目における心臓移植片に関連する重篤な有害事象の発生頻度 (患者1人当たりの平均発生数) には、 両群間で大きな差はなかった。

結論

心停止後に体外非虚血性灌流を用いて蘇生・評価したドナー心臓を用いた移植後6カ月目のリスク調整生存率は,脳死後に低温保存法で保存したドナー心臓を用いた標準移植後の生存率に非劣性であることが示された。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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