HOKUTO編集部
2ヶ月前

未治療のEGFR遺伝子変異陽性進行NSCLCを対象に、 第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬オシメルチニブ+化学療法の有効性および安全性をオシメルチニブ単剤療法と比較評価した第III相国際非盲検無作為化比較試験FLAURA2の最終解析の結果、 OSが有意に改善した。 仏・Gustave Roussy研究所のDavid Planchard氏が発表した。
FLAURA2試験の主要評価項目である無増悪生存期間 (PFS) については、 2023年の世界肺癌学会 (WCLC 2023) において、 オシメルチニブ併用群での有意な改善が示された (HR 0.62、 95%CI 0.49-0.79、 p<0.001) ことが報告された*。 その結果から、 EGFR変異陽性進行非小細胞肺癌 (NSCLC) の1次治療において、 オシメルチニブ+化学療法は既にNCCN Guidelines¹⁾、 ASCO Living Guideline²⁾および日本肺癌学会の肺癌診療ガイドライン2024年版³⁾で推奨されている。
今回、 同併用療法における全生存期間 (OS) の最終結果が報告された。
患者背景は両群間で概ねバランスが取れていた。 ベースラインでの脳転移を有する患者は、 併用療法群42%、 単剤群40%だった。 EGFR変異タイプは、 両群ともおおよそDel19が6割、 L858R変異が4割だった。
2025年6月12日をデータカットオフとしたOS最終解析の結果、 OS中央値は併用療法群で47.5ヵ月 (95%CI 41.0ヵ月-NC)、 単剤療法群で37.6ヵ月(同 33.2-43.2ヵ月)であり、 併用療法群で死亡リスクが23%低減した (HR 0.77、 95%CI 0.61-0.96、 p=0.02) 。 3年OS率は、 それぞれ63%、 51%、 4年OS率は49%、 41%であった。
OSサブグループ解析の結果、 年齢、 性別、 人種、 EGFR変異の種類、 脳転移の有無など、 事前に規定されたほぼ全てのサブグループでオシメルチニブ+化学療法の有効性が一貫して認められた。
安全性プロファイルは、 各薬剤における既報の内容と一貫しており、 新たな安全性シグナルは認められなかった。 Grade 3以上の有害事象 (AE) 発現率は、 単剤群の34%に対し併用療法群では70%と増加していた。 オシメルチニブの投与中止に至ったAEの発現率は、 併用療法群が12%、 単剤群が7%だった。
Planchard氏らは 「FLAURA2試験におけるOS中央値は47.5ヵ月と、 同様の患者集団においてOSベネフィットを示した国際共同第III相試験の中で最長であった。 この結果は、 オシメルチニブ+化学療法併用が未治療EGFR変異進行NSCLCにおける第一選択治療であることを裏付けるものである」 と報告した。
Osimertinib+CDDP (CBDCA) / PEM

¹⁾ NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology: Non–Small Cell Lung Cancer. Version 8.2025.
²⁾ J Clin Oncol. 2025;43(24):e31-e44.
³⁾ 日本肺癌学会編. 肺癌診療ガイドライン-悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む-2024年版第8版.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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