HOKUTO編集部
1年前
切除可能な非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 術前療法としての抗PD-L1抗体デュルバルマブ+化学療法併用療法および術後療法としてのデュルバルマブ単剤療法の有効性および安全性を検証した国際第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験AEGEANについて、手術の主要な転帰に関して、近畿大学呼吸器外科・特任教授の光冨徹哉氏が発表。周術期におけるデュルバルマブの併用により、手術に悪影響は認められず、R0切除率も数値的に若干高くなったことなどが示された。
今年4月に開催された米国癌研究協会 (AACR 2023) では、 同試験の中間解析の結果から、 主要評価項目の1つである無イベント生存期間 (EFS) を含む予後改善効果が報告されている。 今回、 光冨氏からは、 手術の主要な転帰について報告された。
デュルバルマブの術前併用+術後単剤でEFS延長:AEGEAN
切除可能〔ⅡA〜ⅢB期 (N2) 〕なNSCLCで、
-などの適格基準を満たした患者。
登録された802例が以下の2群に1:1で無作為に割り付けられた。
中央判定によるpCR (IASLC 2020で報告済み)、 盲検下独立中央評価 (BICR) によるEFS
両群間で同様。 術前化学療法は70%以上の患者でカルボプラチンベース。
今回は初回の中間解析の結果が報告された。
HR 0.68 (95%CI 0.53-0.88)、 p<0.003902
最終解析結果
群間差=13.0%ポイント (95%CI 8.7–17.6%ポイント)、 p=0.000036
手術関連AE (全グレード)、 手術関連合併症の発現はそれぞれ以下。
AEGEAN試験では、 切除可能なNSCLC患者において、 周術期療法におけるデュルバルマブの追加により、 術前化学療法単独に比べて、 pCRとEFSの両方を有意に改善した。
病期に関わらず、 術前化学療法に周術期デュルバルマブを追加することは、 切除可能NSCLCにおける手術の実施可能性、 種類、 アプローチ、 タイミングに悪影響を及ぼさず、 R0切除率が数値的に高くなった。 また、 この周術期レジメンは、 術前化学療法単独療法と同様に、 管理可能な外科的安全性プロファイルを有していた。
よって、 術前化学療法にデュルバルマブを周術期に追加することは、 切除可能なNSCLC患者に対する新たな治療選択肢となる可能性がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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