第50回日本乳腺甲状腺超音波医学会・北川会長に聞く
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HOKUTO編集部

1年前

第50回日本乳腺甲状腺超音波医学会・北川会長に聞く

第50回日本乳腺甲状腺超音波医学会・北川会長に聞く
日本乳腺甲状腺超音波医学会の第50回学術集会 (JABTS50) が、 今年 (2023年) 5月13~14日に東京都で開催される。 同学会は1998年に第1回日本乳腺甲状腺超音波診断会議として開催されて以来、 今回は節目の第50回となる。 テーマは「超音波魂で未来をひらく」。 今学術集会にかける想いについて、 会長で伊藤病院 (東京都) 外科・診療技術部部長の北川亘氏に聞いた。

テーマは「超音波魂で未来をひらく」

―今回は記念すべき第50回の学会となりますね。

本学会は、 1998年に初代会長の筑波大学・植野映先生が設立された第1回日本乳腺甲状腺超音波診断会議を母体として、 日本乳腺甲状腺超音波医学会へと発展しました。

乳腺、 甲状腺、 また体表臓器における超音波医学のオピニオンリーダーが集う学会であり、 そのような歴史と伝統がある学会の第50回の会長を務めることを大変光栄に思うとともに、 その責任の重大さもあらためて感じています。

―今学術集会のテーマ「超音波魂で未来をひらく」に込められた思いを聞かせてください。

最近の超音波診断の進歩は目覚ましく、 通常のBモード画像に加え、 ドプラ法、 エラストグラフィなど多岐の診断能の進歩により、 超音波画像は高度化しています。

特に、 人工知能 (AI) 技術の急速な発展による診断能の向上は目を見張るものがあります。

これらは先人の諸先生のたゆまぬ努力により築き上げられてきた知識や技術があってこそ成し得たものであり、 それを「超音波魂」という言葉に込めました。

今後はこの超音波魂を次世代の医師、 臨床検査技師、 放射線技師の方々にバトンタッチしていく必要があると考えています。

第50回日本乳腺甲状腺超音波医学会・北川会長に聞く

Face to faceでこその自由な議論や意見交換に期待

―開催形式は原則、 従来型のリアル学会を予定されているそうですが、 開催形式を決断された経緯は。

私が第50回の大会長に推挙されたのは2021年10月、 コロナ禍真只中の時期でした。 当時、 私も完全ウェブ開催やハイブリッド開催の学会に参加し、 オンラインで参加できるメリットも感じていましたが、 一方で、 例えば学会場の廊下での自由な討論や親睦をはかることは現地に参加しないと難しい。 リアル学会に勝るものはないと感じました。

ちょうど今学術集会の開催前に、 政府が新型コロナウイルス感染症の位置付けを2類から5類に変更するとしており、 今回は原則face to faceで自由な議論や意見交換ができる従来型のリアル学会とさせていただきました。 

 

ただし、 いろいろな事情で現地参加が難しい方もいらっしゃると思いますので、 開催後のオンデマンド配信 (6月1〜30日に一部主要プログラムのみを配信予定) も予定しています。

特別企画では、 AIやプロジェクションマッピングの講演も

―プログラムにおける注目セッションを教えてください。

まず記念すべき第50回の特別講演として、 現在の同学会理事長である尾本きよか先生 (自治医科大学附属さいたま医療センター) による「JABTS、 原点から未来へ」を企画しました。

また3つの特別企画として、 ①どこまでできる~超音波検査におけるAIの未来、 ②超音波魂の伝承-レジェンドからのメッセージ、 ③プロジェクションマッピングを用いた遠隔超音波技術指導で未来をひらく -ハンズオンにハンズイミテーションを-を予定しています。

③については、 同セッション終了後に別会場でエコーライブデモも行われる予定です。 さらに「超音波魂を養うための第一歩〜超音波機器の設定について」などのプログラム委員会企画セッションや教育セミナーなど、 医師だけでなく臨床検査技師、 放射線技師の育成のためのプログラムも充実させています。

―最近の超音波診断の進歩において、 注目されている技術やトピックスはありますか。

やはりAIの進歩でしょうか。 諸外国ではすでに経験豊富な医師の超音波診断を凌駕するようなAI診断の有用性が報告されています。  

またトピックスとしては、 本学会が主導した初の認定制度として、 「甲状腺超音波ガイド下穿刺診断専門資格」の医師および医師を補助するコーディネーター (臨床検査技師、 放射線技師、 看護師) の認定が始まっていることが挙げられます。

この認定には、 今学術集会における教育セミナーやハンズオンセミナーの受講が必要となっていますので、 興味ある方はぜひご参加ください。

ぜひ超音波魂に触れて交流を!

―会場についても少しご紹介ください。

会場は政治やビジネスの中枢・永田町にある都市センターホテルです。 地下鉄が5線乗り入れている大変交通の便が良いところにあり、 ご参加の皆さんがアクセスもしやすいのではないかと思います。

―最後に、 HOKUTO会員へのメッセージもお願いいたします。

乳腺や甲状腺超音波に少しでも興味がある先生方、 また乳腺・甲状腺の超音波検査に関わっている先生方や臨床検査技師・放射線技師の方々、 ぜひ今学術集会に参加していただきたいと思っています。 ご参加の皆さんに、 「超音波魂」に触れていただいて交流を深めていただければ幸いです。

皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。


大会公式サイト

第50回日本乳腺甲状腺超音波医学会の公式サイトはコチラ

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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