海外ジャーナルクラブ
1年前
Lincoff氏らは、 非糖尿病かつ過体重または肥満の患者を対象に、 GLP-1受容体刺激薬であるセマグルチドの心血管イベントの発生リスク減少効果について、 イベント主導型多施設共同二重盲検無作為化比較試験SELECTを用いて検証した。 その結果、 対象へのセマグルチド投与は糖尿病患者への投与と同程度に心血管イベントの発生率を低下させた。 本研究はNEJMにおいて発表された。
Semaglutide and Cardiovascular Outcomes in Obesity without Diabetes
GLP-1受容体刺激剤は最もノーベル賞に近い薬剤と個人的には考えます。 本研究においても平均体重100kgの患者さんが2年間で約10kg程度、 安全に減量できています。
GLP-1受容体刺激剤であるセマグルチドは、 糖尿病患者において有害な心血管イベントの発生リスクを低下させることが示されている。 しかし、 非糖尿病の過体重/肥満患者における心血管イベント発生リスクを低下させるかどうかは不明である。
心血管疾患 (心筋梗塞、 脳卒中、 症候性末梢動脈疾患) の既往があり、 体格指数 (BMI) 27以上で45歳以上の非糖尿病患者
患者を以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けた。
心血管イベントの発生
主要評価項目
HR 0.80(95%CI 0.72-0.90)、p<0.001
試験中止を余儀なくされた有害事象の発現率
p<0.001
心血管疾患の既往があり、 過体重または肥満である非糖尿病患者において、 セマグルチドはプラセボ群に比較して心血管イベント (心血管疾患による死亡、 非致死性心筋梗塞、 非致死性脳卒中の発生率) を有意に減少させた。 これは糖尿病患者におけるセマグルチド投与の予防効果と同程度の結果となった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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