海外ジャーナルクラブ
9ヶ月前

Husseinらは、 ロボット支援下根治的膀胱全摘除術 (RARC) 後の患者を対象に、 抗菌薬投与による尿路感染症予防効果を、 標準治療 (SOC) を対照として単施設非盲検無作為化比較試験 (RCT) で検討した。 その結果、 RARC後30日間の抗菌薬の予防的投与は、 有害事象 (AE)の増加を伴わず、 90日間の尿路感染症、 感染症合併症、 感染症関連の再入院、 および医療費を低減した。 本研究はJ Urol誌において発表された。
本研究はクリアな結果を示したものの、 単施設非盲検RCTにしばしば見られる傾向とも言えるため、 より外的妥当性の高い多施設RCTによる再検証が求められます。
尿路感染症は根治的膀胱全摘除術 (RC) に伴う合併症の発症への影響が大きく、 そのおよそ3分の2は術後90日以内に発症する。 一部の研究では、 RC後の予防的抗菌薬投与が尿路感染症の減少と関連していることが示唆されているが、 この実践を支持するレベル1のエビデンスは不足している。
そこで本研究では、 RARC後の90日間において、 抗菌薬投与による尿路感染症予防効果をRCTで検討した。
尿路変向術を伴うRARCを受けた患者77例が以下の2群に無作為に割り付けられた。
主要評価項目は、 90日間の尿路感染症 (発熱、 悪寒、 側腹部痛などの臨床症状を伴う尿培養陽性[>10⁵cfu/mL]と定義)、 副次評価項目は有害事象 (AE)、 90日間の感染症合併症、 UTI関連の再入院、 および医療費などであった。
追跡期間は90日以上であった。 年齢中央値は69歳 (四分位範囲 65-76歳)、 女性は25%、 術前療法を受けた患者は36%であった。
90日間の尿路感染症発症率は抗菌薬投与群が0%であり、 SOC群の25%と比べて有意に低減した (p=0.001)。
90日間の合併症発症率は、 全Grade・高Gradeともに両群間で有意差は認められなかった。
90日間の感染症合併症発症率は、 抗菌薬投与群が14%、 SOC群が43%、 感染症関連再入院は抗菌薬投与群が5%、 SOC群が30%で、 いずれも抗菌薬投与群において有意に低減した (それぞれ、 p=0.006、 p=0.007)。
膀胱全摘後の平均医療費は、 抗菌薬投与群がSOC群と比べて9,074ドル低かった (p=0.007)。 尿路感染症を1件予防するために必要な治療数 (NNT) は4.0 (95%CI 2.5-7.0) であった。
AEにおいて両群間で有意差は認められなかった。
著者らは 「RARC後30日間の抗菌薬の予防的投与は、 90日間の尿路感染症、 感染症合併症、 感染症関連の再入院、 および医療費の低減と関連しており、 AEの増加は伴わなかった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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