海外ジャーナルクラブ
3日前

Senerthらは、 高齢者・妊婦・乳児に用いられる、 米国承認のRSウイルス (RSV) ワクチンおよびモノクローナル抗体製剤について、 有効性・安全性に関するエビデンスレビューを実施した (無作為化比較試験、 比較対照を伴う観察研究など計75件)。 その結果、 RSV関連入院リスクは、 高齢者へのワクチン接種で83.3%、 母体へのワクチン接種で乳児において51.0~70.0%、 乳児へのニルセビマブ投与で63.6~93.0%低下した。 なお、 高齢者では接種後2シーズン目以降に有効性が低下する可能性が示唆された。 結果はJAMA誌に発表された。
採用された研究の多くで、 報告された推定値に重大または高いバイアスリスク (RoB) が認められ、 結果の解釈には注意が必要です。
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RSウイルスは急性呼吸器感染症の主要な原因で、 罹患・死亡の一因となっている。
本研究は、 米国で承認されているRSVワクチンおよびRSVモノクローナル抗体製剤の有効性・安全性、 および米国におけるRSVの疫学について、 最近の無作為化比較試験 (RCT) と観察研究のエビデンスを統合することを目的とした。
MEDLINE (PubMed) などの複数データベースを用いて、 2025年8月1日~2026年6月29日に報告された、 米国承認RSVワクチンまたはRSVモノクローナル抗体製剤の安全性・有効性を評価した研究、 RSV疫学に関する研究を検索した。
検索の結果、 適格とされた75件*の研究から、 高齢者 (60歳以上) ・成人・免疫不全者・乳児・小児・妊娠中に接種を受けた対象者のデータを抽出した。 RCTと観察研究についてCochraneのツールを用いてバイアスリスクを評価した。
高齢者では、 RSVワクチン接種はRSV関連入院リスクの低下と関連した (ワクチン有効性 83.3% [95%CI 42.9~96.9%])。
1件の研究では、 接種後1シーズン目のワクチン有効性の点推定値は、 12~18ヵ月追跡時と比べて有意に高かった。 一方、 別の研究では、 1シーズン目と2シーズン目の間に有意差は認められなかった。
母体接種 (妊娠32~36週) によるRSV関連乳児入院予防効果は、 51.0% (95%CI -29.6~83.3%) から70.0% (95%CI 37.0~86.0%) であった。
乳児におけるニルセビマブのRSV関連入院予防効果は、 投与後6~12ヵ月以内で63.6% (95%CI 26.9~81.9%) から93.0% (95%CI 83.0~97.0%) であった。
3件のRCTでギラン・バレー症候群の発症例はみられなかった。 高齢者対象の1件の自己対照ケースシリーズ研究では、 接種後42日間にギラン・バレー症候群リスクが増加した可能性が報告された。
母体接種と早産などの有害妊娠転帰との関連は、 いずれの比較研究でも認められなかった。
著者らは、 「RSV免疫化は重症RSVおよびRSV関連入院のリスク低下と関連しており、 高齢者における有効性は次シーズン以降低下する可能性が示唆された。 特に注目すべき有害事象 (ギラン・バレー症候群および早産を含む) の報告は先行レビューと一致していた」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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