海外ジャーナルクラブ
12日前

統計数理研究所の野間久史氏らの研究グループは、 75歳以上の日本人後期高齢者における初回降圧薬としてのアンジオテンシン受容体拮抗薬 (ARB) とCa拮抗薬 (CCB) が予後に及ぼす影響について、 全国レセプトデータを用いた標的試験エミュレーションにより検証した。 その結果、 5年推定死亡率はARB使用患者で12.7%、 CCB使用患者で14.8%であり、 ARB使用患者で死亡リスクが低かった。 加えてARB使用患者では、 心不全入院、 心筋梗塞、 脳卒中、 主要心血管イベントのリスクも低かった。試験結果はJ Am Geriatr Soc誌に発表された。
利用可能なデータではフレイル、 身体機能、 血圧変動に関する情報が限定的であり、 これらが治療選択や転帰に影響した可能性があります。
アンジオテンシン受容体拮抗薬 (ARB) とCa拮抗薬 (CCB) は後期高齢者で広く使用されているが、 75歳以上における初回降圧薬選択に関するエビデンスは限られている。 そこで、 両薬剤クラスの予後への影響を比較した。
本研究は、 日本の全国規模の連結レセプトデータを用いた標的試験エミュレーションである。
過去12ヵ月にARB・CCBいずれの処方もなかった75歳以上の新規降圧薬使用患者を治療開始時点から追跡した。
主要評価項目は全死亡とし、 副次評価項目は心不全入院、 心筋梗塞、 脳卒中、 主要心血管イベント (MACE) とした。
2万9,822例 (ARB使用患者 : 1万37例、 CCB使用患者 : 1万9,785例) において、 追跡期間中央値4.0年で3,487例が死亡した。
ARB治療は、 CCB治療より全死亡が低かった (HR 0.885 [95%CI 0.823-0.951])。
推定5年死亡リスク
絶対リスク差 -2.1㌽ (95%CI -3.1~-1.0㌽)
ARB治療では、 主要な心血管イベントリスクも低かった。
ARB治療によるリスク低下
これらの関連は85歳以上の年齢サブグループでも一貫していた。
著者らは、 「75歳以上の後期高齢者では、 ARBベースの降圧療法がCCBベースに比べ死亡・心血管イベントのリスク低下と関連しており、 初回の降圧薬選択が予後に影響し得ることが示唆された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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