海外ジャーナルクラブ
2年前
Goyalらは、 線維芽細胞増殖因子受容体2 (FGFR2) の変異を有する肝内胆管癌患者を対象に、 共有結合型FGFR1-4阻害剤フチバチニブの有効性と安全性を検討する多国籍非盲検単群第Ⅱ相試験を実施。 その結果、 FGFR2融合または再配列陽性の前治療歴のある肝内胆管癌患者において、 フチバニブの使用により、 測定可能な臨床的有効性がもたらされた。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
3つの第Ⅲ相試験が現在進行中とのことですが、 希少がんでありなかなか進まないようです。 そのような状況下で本研究はsingle-arm研究ですが、 しっかりとした臨床的有用性を示しているのでNEJM掲載となっています。
予後不良の希少がんである肝内胆管癌において、 FGFR2変異が有望な創薬ターゲットとして浮上している。 次世代型の共有結合型FGFR1-4阻害剤であるフチバチニブ (Futibatinib) は、 FGFR変異腫瘍患者における抗腫瘍活性と、 ATP競合型FGFR阻害剤に伴う獲得耐性変異に対する強い前臨床活性の両方を有することが示されている。
切除不能または転移性のFGFR2融合陽性またはFGFR2再配列陽性の肝内胆管癌で、 1ライン以上の全身療法 (FGFR阻害剤を除く) 後に病勢進行した患者。
1日1回20mgのフチバチニブ経口投与が継続的に行われた。
客観的な腫瘍縮小効果 (部分奏効 (PR) または完全奏効 (CR))
奏効期間 (DOR) 、 無増悪生存期間 (PFS) 、 全生存期間 (OS) 、 安全性、 および患者報告アウトカム。
合計103名の患者が登録され、 フチバチニブの投与を受けた。
42%の患者 (103例中43例、 95%CI 32-52) において奏効が確認された。
奏効期間中央値:9.7カ月
奏効は、 前治療の多い患者、 高齢者、 TP53遺伝子変異を併発した患者など、 患者サブグループ間で一貫していた。
追跡期間中央値17.1カ月の時点で、 PFS中央値は9.0カ月、 OS中値は21.7カ月であった。
高リン酸血症:30%
AST値の上昇:7%
口内炎:6%
倦怠感:6%
治療関連の有害事象により、 フチバチニブの投与を中止した患者は2%であった。
治療に関連する死亡は発生しなかった。
QOLは治療期間中維持された。
FGFR2融合または再配列陽性の前治療歴のある肝内胆管癌患者において、 フチバニブの使用により、 測定可能な臨床的有用性がもたらされた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。