海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前
Castellsらは、 大腸癌の既往歴や家族歴のないスペインの一般集団を対象に、 大腸癌スクリーニングに用いる免疫学的便潜血検査が、大腸内視鏡検査に対して非劣性であるかどうかをプラグマティック多施設共同無作為化比較試験COLONPREVで検討した。 その結果、 免疫学的便潜血検査は大腸内視鏡検査と比べて参加率が高く、 10年後の大腸癌関連死亡率について、 免疫学的便潜血検査の大腸内視鏡検査に対する非劣性が検証された。 試験結果はLancet誌に発表された。
50行以上に及んでlimitationが記載されており、 実施時期、 分析上バイアス、 全体死亡率の差、 カナリア諸島のデータの偏り、 追跡期間の不足などを挙げています。
大腸がん検診ガイドライン2024年度版 「便潜血、内視鏡の推奨は?」
大腸内視鏡検査および免疫学的便潜血検査は、 一般集団 (大腸癌の既往歴や家族歴のない50歳以上の地域住民) に対する大腸癌スクリーニングの有効な戦略として認められている。
そこで、 免疫学的便潜血検査によるスクリーニングの大腸内視鏡検査に対する非劣性を検証した。
スペイン8地域の3次病院15施設で、 50~69歳で健康とみられ、 大腸癌、 腺腫、 炎症性腸疾患の既往歴、 遺伝性または家族性大腸癌の家族歴、 重度の併存疾患、 大腸切除術の施術歴がない参加者5万7,404例が以下のいずれかの検査を受けるグループに割り付けられた。
主要評価項目は、 スクリーニング検査を受ける意思のある集団での10年後の大腸癌関連死亡率であった。 非劣性マージンは、 両群間の絶対差で0.16%㌽と設定された。
スクリーニング検査を受ける意思のある集団のうち、 いずれかのスクリーニングを受けた割合は、 大腸内視鏡検査群で31.8%、 免疫学的便潜血検査群で39.9%であった (リスク比 [RR] 0.79 [95%CI 0.77-0.82] )。
主要評価項目である10年後の大腸癌関連死亡率は、 大腸内視鏡検査群が0.22% (55例)、 免疫学的便潜血検査群で0.24% (60例) であり、 免疫学的便潜血検査群の大腸内視鏡検査群に対する非劣性が検証された (絶対差は-0.02㌽ [95%CI -0.10-0.06]、 RR 0.92 [95%CI 0.64-1.32]、 非劣性のp=0.0005)。
著者らは 「COLONPREV試験では、 免疫学的便潜血検査は大腸内視鏡検査と比べてスクリーニングへの参加率が高かった。 10年後の大腸癌関連死亡率について、 免疫学的便潜血検査の大腸内視鏡検査に対する非劣性が検証された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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