【Lancet】難治性または原因不明の慢性咳嗽にゲーファピキサントが有効
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【Lancet】難治性または原因不明の慢性咳嗽にゲーファピキサントが有効

【Lancet】難治性または原因不明の慢性咳嗽にゲーファピキサントが有効
McGarveyらは, 難治性または原因不明の慢性咳嗽の患者を対象に, 経口P2X₃受容体拮抗薬ゲーファピキサントの有効性と安全性を検討する二重盲検無作為化並行群間プラセボ対照第Ⅲ相試験を実施. その結果, ゲーファピキサント45mgの1日2回投与は, 難治性または原因不明の慢性咳嗽の治療において有効であることが確認された. 本研究はLancet誌において発表された.

HOKUTO編集部コメント

本邦では💊リフヌア®錠45mgとして2022年1月から販売されています. 実際の用法用量についてはリンクの添付文書情報をご確認ください.

👨‍⚕️監修医コメント:本研究においてその有効性はなんとか証明された程度の印象を持ちます. また、この薬剤は平均10年程度の慢性咳嗽患者にいつまで投与すれば良いのでしょうか?もし、投与期間が長くなれば今回の研究では見られなかった頻度で副作用が起こる可能性が十分考えられますね. ちなみに米国では2022年1月にFDAが本薬の承認を見送っているようです.

研究の背景

ゲーファピキサントは経口P2X₃受容体拮抗薬であり, 難治性および原因不明の慢性咳嗽に対して有効性・安全性が確認されている.

研究デザイン

COUGH-1試験およびCOUGH-2試験

  • 対象:難治性または1年以上の原因不明の慢性咳嗽と診断された18歳以上の患者.
(スクリーニングおよびベースライン時に咳嗽重症度VASが40mm以上であることが条件)
  • COUGH-1は17カ国156施設から732名, COUGH-2は20カ国175施設から1,317名が募集された.
  • 対象者は以下の3群に1:1:1の割合で割り付け.
  • プラセボ群
  • ゲーファピキサント 15 mg 1日2回群
  • ゲーファピキサント 45 mg 1日2回群
  • 主試験期間:COUGH-1試験が12週間, COUGH-2試験は24週間. その後延長期間を経て, 両試験とも最大52週間の治療が行われた.
  • 主要評価項目:COUGH-1試験では12週間, COUGH-2試験では24週間におけるプラセボ調整後の24時間咳嗽頻度の平均変化量.

研究結果

各試験参加者の内訳

  • COUGH-1試験:730名
  • プラセボ群:243名
  • ゲーファピキサント15mg1日2回投与群:244名
  • ゲーファピキサント45mg1日2回投与群:243名
  • 女性の割合:730名中542名
  • 平均咳嗽期間: 11.6年 (SD 9.5)
  • COUGH-2試験:1,314名
  • プラセボ群:435名
  • ゲーファピキサント15mg1日2回投与群:440名
  • ゲーファピキサント45mg1日2回投与:439名
  • 女性の割合:1,314名中984名
  • 平均咳嗽期間: 11.2年 (SD 9.8)

有効性評価

  • ゲーファピキサント45 mg 1日2回投与群では, 両試験ともに24時間咳嗽頻度の平均変化量がプラセボ群に比して有意に減少した.
  • COUGH-1試験:12週目に18.5% (95%CI 32~9.0 , p=0.041)
  • COUGH-2試験:24週目に14.6% (95%CI 26.1~1.4, p=0.031)
  • ゲーファピキサント15 mg 1日2回投与群に関しては, 両試験ともにプラセボ群に比して咳嗽頻度の有意な減少を示さなかった.

安全性評価

  • 有害事象は味覚障害に関連するものであった.
  • 味覚消失:COUGH-1試験:730名中36名 (4.9%) , COUGH-2試験:1,314名中86名 (6.5%)
  • 味覚異常:COUGH-1試験:730名中118名(16.2%) , COUGH-2試:1,314名中277名 (21.1%)
  • 味覚過敏:COUGH-1試験:730名中3名 (0.4%), COUGH-2試験:1,314名中6名 (0.5%)
  • 味覚鈍麻:COUGH-1試験:730名中19名 (2.6%), COUGH-2試験:1,314名中80名 (6.1%)
  • 味覚障害:COUGH-1試験:730名中28名 (3.8%), COUGH-2試験:1,314名中46名 (3.5%)

結果の解釈

45mg 1日2回投与は, 難治性または原因不明の慢性咳嗽に対する第Ⅲ相臨床試験において, 許容しうる安全性の範囲内で有効性を示した初めての治療法である.

原著

McGarvey LP, et al,Efficacy and safety of gefapixant, a P2X 3 receptor antagonist, in refractory chronic cough and unexplained chronic cough (COUGH-1 and COUGH-2): results from two double-blind, randomised, parallel-group, placebo-controlled, phase 3 trials.Lancet. 2022 Mar 5;399(10328):909-923.PMID: 35248186

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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