HOKUTO編集部
4日前

低酸素血症を伴う入院肺炎患者を対象に、 ブデソニド+ホルモテロールのネブライザー吸入による急性呼吸不全 (ARF) 予防効果を、 プラセボを対照に評価した二重盲検無作為化比較試験ARRESTの結果から、 7日以内のARF発症率に有意な低下は認められなかった。 米・Mayo ClinicのEmir Festic氏が発表した。
肺炎に伴う低酸素血症は、 ARFへ進展し得るが、 確立した予防薬はない。 吸入療法は、 全身曝露を抑えながら肺へ直接薬剤を送達できる点が利点とされる。
先行する予備的試験LIPS-Bでは、 ブデソニドとホルモテロールの早期吸入により、 酸素化の改善とARDS発症・入院期間の減少が報告された¹⁾。
米国の複数施設において、 2020年5月~2025年7月に組み入れ基準を満たした5,381例のうち、 465例が無作為化され、 以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
β₂刺激薬またはステロイドの適応がある患者、 登録前に挿管された患者などは除外された。 試験薬はネブライザー吸入で投与され、 COVID-19患者にはデキサメタゾン6mgの併用が認められた。
主要評価項目は、 無作為化後7日以内のARF発症とし、 36時間を超えるHFNO・NIVまたは侵襲的人工呼吸の実施と定義された。
本試験は、 登録目標の75%に達した時点で無益性により早期中止された。 救急外来受診から初回投与までの時間中央値は20時間だった。
7日以内のARF発症率は、 ブデソニド+ホルモテロール群20.0%、 プラセボ群21.7%で、 両群間に有意差は認められなかった (OR 0.9 [95%CI 0.6–1.5]、 p=0.7)。
挿管率はブデソニド+ホルモテロール群6.0%、 プラセボ群7.9%であった (OR 0.8 [95%CI 0.4–1.6])。 非盲検下の全身性ステロイドへの移行率は、 22.1% vs 20.0% (OR 1.2 [95%CI 0.7–1.8])、 レスキュー治療率は31.1% vs 33.5% (OR 0.9 [95%CI 0.6–1.3]) と、 いずれも明確な群間差を認めなかった。
入院期間中央値は両群いずれも6日、 28日間の酸素非投与日数中央値は両群いずれも23日だった。
事前規定の探索的HTE解析*では、 初回投与が20時間以内の患者で治療効果の異質性が示唆された (OR 0.56 [95%CI 0.26–1.19]、 交互作用p=0.07)。 事後解析では、 登録時にHFNO・NIVを要していなかった患者でも異質性が示唆された (OR 0.61 [95%CI 0.31–1.19]、 交互作用p=0.07)。
Festic氏らは、 「ブデソニド+ホルモテロールのネブライザー吸入は、 肺炎と低酸素血症を有する患者のARF発症率を低下させなかった。 より早期に投与された例、 および登録時点で高度な呼吸補助を必要としない症例では、 治療がより有効である可能性があるとした」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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