海外ジャーナルクラブ
1年前
Pirracchioらは、 敗血症性ショックの患者を対象に、 低用量ヒドロコルチゾンの効果を患者レベルのメタ解析で検討。 その結果、 ヒドロコルチゾンはプラセボと比較し、 死亡率低下と関連していないことが明らかになった。 本研究はNEJM Evid誌において発表された。
Includeされた研究で最初と最後で20年間の差があるのは、 本文中に記載がありますが大きなlimitationです。 今後の敗血症ガイドラインでもフルドロコルチゾンを併用したヒドロコルチゾンが議論されるようになると思います。
敗血症性ショック患者の管理における副腎皮質ステロイドの役割については、 臨床試験や研究レベルのメタアナリシスでは解決できていない。 患者レベルのメタアナリシスにより、 治療効果、 特にサブグループ効果についてより正確な推定が可能になるかもしれない。
ヒドロコルチゾンの静脈内投与の併用について検討した敗血症性ショックの試験から、 個々の患者データを統合。
90日全死因死亡率
28日および180日時点の死亡または退院、 昇圧薬や人工呼吸器の使用、 臓器不全が認められない日数など
ヒドロコルチゾン対プラセボの90日死亡率の相対リスク (RR) は、 0.93 (95%CI 0.82-1.04、 P=0.22) だった。
サブグループ間で治療効果に有意な差はなかった。
ヒドロコルチゾンは、 昇圧薬不要日数以外の副次評価項目にほぼ影響しなかった。
ヒドロコルチゾンは、 高ナトリウム血症 (RR 2.01、 95%CI 1.56-2.60) および筋力低下 (RR 1.73、 95%CI 1.49-1.99) のリスク増加と関連している可能性がある。
この患者レベルのメタ解析では、 プラセボと比較してヒドロコルチゾンは、 敗血症性ショック患者の死亡率低下と関連していなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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