【NEJM Evid】敗血症性ショック、ヒドロコルチゾンを投与すべきか?
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【NEJM Evid】敗血症性ショック、ヒドロコルチゾンを投与すべきか?

【NEJM Evid】敗血症性ショック、ヒドロコルチゾンを投与すべきか?
Pirracchioらは、 敗血症性ショックの患者を対象に、 低用量ヒドロコルチゾンの効果を患者レベルのメタ解析で検討。 その結果、 ヒドロコルチゾンはプラセボと比較し、 死亡率低下と関連していないことが明らかになった。 本研究はNEJM Evid誌において発表された。 

📘原著論文

Patient-Level Meta-Analysis of Low-Dose Hydrocortisone in Adults with Septic Shock. NEJM Evid 2023;2(6), DOI: 10.1056/EVIDoa2300034

👨‍⚕️監修医師のコメント

Includeされた研究で最初と最後で20年間の差があるのは、 本文中に記載がありますが大きなlimitationです。 今後の敗血症ガイドラインでもフルドロコルチゾンを併用したヒドロコルチゾンが議論されるようになると思います。

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SOFAスコア

敗血症、多臓器不全の評価

qSOFA

敗血症のスクリーニング法

背景

敗血症性ショック患者の管理における副腎皮質ステロイドの役割については、 臨床試験や研究レベルのメタアナリシスでは解決できていない。 患者レベルのメタアナリシスにより、 治療効果、 特にサブグループ効果についてより正確な推定が可能になるかもしれない。

研究デザイン

方法

ヒドロコルチゾンの静脈内投与の併用について検討した敗血症性ショックの試験から、 個々の患者データを統合。

主要評価項目

90日全死因死亡率

副次評価項目

28日および180日時点の死亡または退院、 昇圧薬や人工呼吸器の使用、 臓器不全が認められない日数など

研究結果

主要評価項目

ヒドロコルチゾン対プラセボの90日死亡率の相対リスク (RR) は、 0.93 (95%CI 0.82-1.04、 P=0.22) だった。

  • フルドロコルチゾンを併用したヒドロコルチゾン:0.86 (95%CI 0.79-0.92)
  • フルドロコルチゾンを併用しない場合:0.96 (95%CI 0.82-1.12)

サブグループ間で治療効果に有意な差はなかった。

副次評価項目

ヒドロコルチゾンは、 昇圧薬不要日数以外の副次評価項目にほぼ影響しなかった。

安全性評価

ヒドロコルチゾンは、 高ナトリウム血症 (RR 2.01、 95%CI 1.56-2.60) および筋力低下 (RR 1.73、 95%CI 1.49-1.99) のリスク増加と関連している可能性がある。

結論

この患者レベルのメタ解析では、 プラセボと比較してヒドロコルチゾンは、 敗血症性ショック患者の死亡率低下と関連していなかった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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