【Ann Rheum Dis】MTX抵抗性RAへのBTK阻害薬、出血リスクあるも有望な結果
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海外ジャーナルクラブ

11ヶ月前

【Ann Rheum Dis】MTX抵抗性RAへのBTK阻害薬、出血リスクあるも有望な結果

【Ann Rheum Dis】MTX抵抗性RAへのBTK阻害薬、出血リスクあるも有望な結果
Takeuchiらは、 メトトレキサート (MTX) で効果不十分な関節リウマチ (RA) 患者を対象に、 非可逆的共有結合型ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬TAS5315の有効性と安全性を第IIa相二重盲検試験で検討。 その結果、 TAS5315はプラセボと比較して数値的な改善が見られたものの、 出血リスクが存在することが明らかになった。 本研究はAnn Rheum Dis誌において発表された。

📘原著論文

Irreversible covalent Bruton's tyrosine kinase inhibitor, TAS5315 versus placebo in rheumatoid arthritis patients with inadequate response to methotrexate: a randomised, double-blind, phase IIa trial. Ann Rheum Dis. 2023 May 22;ard-2022-223759. PMID: 37217273

👨‍⚕️監修医師のコメント

今回のP2試験で効果の部分で(p=0.053)、 副反応(出血リスク)の部分が表に出ていますので今後のP3試験ではその辺りをしっかりと整えた研究デザインとなるでしょう。 P3試験での成果に期待したいと思います。

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研究デザイン

対象

MTX抵抗性の日本人RA患者

介入

  • パートA:TAS5315 4mgまたは2mgまたはプラセボを1日1回12週間投与
  • パートB:全患者がTAS5315をさらに24週間投与

主要評価項目

12週目にACR20を達成した患者の割合

研究結果

主要評価項目

12週目にACR20を達成した患者の割合 (P=0.053)

  • TAS5315併用群:78.9%
  • プラセボ群:60.0%

副次評価項目

12週目にACR50を達成した患者の割合 (P=0.072)

  • TAS5315併用群:33.3%
  • プラセボ群:13.3%

12週目にACR70を達成した患者の割合 (P=0.294)

  • TAS5315併用群:7.0%
  • プラセボ群:0.0%

疾患活動性

TAS5315を投与された患者は、 プラセボ群に比べ12週目に疾患活動性が低いか寛解を示した。

安全性評価

TAS5315の有害事象発生率

パートAではプラセボと同様であった。

TAS5315でよく見られた有害事象

  • 鼻咽頭炎 (10.3%)
  • 掻痒 (6.9%)
  • 膀胱炎 (5.2%)

出血イベント

36週間で9例に出血イベントが発生し、 薬剤継続で4例と中断で2例が回復した。 また、 3例は投与中止により回復した。

結論

主要評価項目は達成されなかった。 TAS5315には出血リスクがあるように思われるが、 それにもかかわらず、 RAの疾患活動性のすべての指標の改善率において、 プラセボと比較して数値的な差が示された。 今後、 TAS5315のリスク・ベネフィットを分析することを検討する必要がある。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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