海外ジャーナルクラブ
1年前
Takeuchiらは、 メトトレキサート (MTX) で効果不十分な関節リウマチ (RA) 患者を対象に、 非可逆的共有結合型ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬TAS5315の有効性と安全性を第IIa相二重盲検試験で検討。 その結果、 TAS5315はプラセボと比較して数値的な改善が見られたものの、 出血リスクが存在することが明らかになった。 本研究はAnn Rheum Dis誌において発表された。
今回のP2試験で効果の部分で(p=0.053)、 副反応(出血リスク)の部分が表に出ていますので今後のP3試験ではその辺りをしっかりと整えた研究デザインとなるでしょう。 P3試験での成果に期待したいと思います。
MTX抵抗性の日本人RA患者
12週目にACR20を達成した患者の割合
12週目にACR20を達成した患者の割合 (P=0.053)
12週目にACR50を達成した患者の割合 (P=0.072)
12週目にACR70を達成した患者の割合 (P=0.294)
疾患活動性
TAS5315を投与された患者は、 プラセボ群に比べ12週目に疾患活動性が低いか寛解を示した。
TAS5315の有害事象発生率
パートAではプラセボと同様であった。
TAS5315でよく見られた有害事象
出血イベント
36週間で9例に出血イベントが発生し、 薬剤継続で4例と中断で2例が回復した。 また、 3例は投与中止により回復した。
主要評価項目は達成されなかった。 TAS5315には出血リスクがあるように思われるが、 それにもかかわらず、 RAの疾患活動性のすべての指標の改善率において、 プラセボと比較して数値的な差が示された。 今後、 TAS5315のリスク・ベネフィットを分析することを検討する必要がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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