海外ジャーナルクラブ
2年前
Riazらは、 転移性去勢感受性前立腺癌 (mCSPC) に対する全身療法の有効性を10件のランダム化比較試験の系統的レビューとメタ解析を基に検討。 その結果、 3剤併用療法によるOSの改善は必ずしも2剤併用より高くなく、 腫瘍量や薬剤の組み合わせによっては差がでないことが示された。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。
今回のシステマティックレビューは、 living systematic reviewsという、 高度なプログラミングとAIに支えられた半自動化によって強化された、 次世代のシステマティックレビューです。
mCSPCの不均一な患者集団において、 アンドロゲン経路阻害薬 (API) 2剤併用療法と比較した3剤併用療法の有効性は不明である。
mCSPCの第一選択治療法を評価する第Ⅲ相無作為化臨床試験
全生存期間 (OS)、 無増悪生存期間 (PFS)、 グレード3以上の有害事象、 健康関連QOLなど。
全人口に対する現在のエビデンスでは、 ダロルタミド (DARO) +ドセタキセル (D) +アンドロゲン除去療法 (ADT) およびアビラテロン (AAP) +D+ADTはD+ADTの二剤併用と比較してOSが向上するが、 API二剤併用においてはそのような関連は示されなかった。
腫瘍量の多い患者では、 AAP+D+ADTはD+ADTと比較してOSを改善する可能性があるが (HR, 0.72; 95% CI, 0.55-0.95 )、 AAP+ADT、 エンザルタミド (E) +ADT、 アパルタミド (APA) +ADTにおいてはOSの改善は見られなかった。
腫瘍量の低い患者では、 AAP+D+ADTは、 APA+ADT、 AAP+ADT、 E+ADT、 D+ADTと比較して、 OSが改善しなかった。
3剤併用療法で観察される潜在的な利益は、 腫瘍量や臨床試験で使用された2剤併用療法の選択を慎重に考慮して解釈する必要がある。 これらの知見は、 3剤併用療法とAPI併用療法が等しいことを示唆し、 今後の臨床試験の方向性を示すものである。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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