【JAMA Oncol】転移性去勢感受性前立腺癌への3剤併用、2剤併用よりも有効とは限らず
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2年前

【JAMA Oncol】転移性去勢感受性前立腺癌への3剤併用、2剤併用よりも有効とは限らず

【JAMA Oncol】転移性去勢感受性前立腺癌への3剤併用、2剤併用よりも有効とは限らず
Riazらは、 転移性去勢感受性前立腺癌 (mCSPC) に対する全身療法の有効性を10件のランダム化比較試験の系統的レビューとメタ解析を基に検討。 その結果、 3剤併用療法によるOSの改善は必ずしも2剤併用より高くなく、 腫瘍量や薬剤の組み合わせによっては差がでないことが示された。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。

📘原著論文

First-line Systemic Treatment Options for Metastatic Castration-Sensitive Prostate Cancer: A Living Systematic Review and Network Meta-analysis.JAMA Oncol. 2023 Mar 2;e227762. PMID: 36862387

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背景

mCSPCの不均一な患者集団において、 アンドロゲン経路阻害薬 (API) 2剤併用療法と比較した3剤併用療法の有効性は不明である。

研究デザイン

対象

mCSPCの第一選択治療法を評価する第Ⅲ相無作為化臨床試験

主要評価項目

全生存期間 (OS)、 無増悪生存期間 (PFS)、 グレード3以上の有害事象、 健康関連QOLなど。

研究結果

3剤併用と2剤併用によるOSの差

全人口に対する現在のエビデンスでは、 ダロルタミド (DARO) +ドセタキセル (D) +アンドロゲン除去療法 (ADT) およびアビラテロン (AAP) +D+ADTはD+ADTの二剤併用と比較してOSが向上するが、 API二剤併用においてはそのような関連は示されなかった。

高腫瘍量の患者におけるOSの差

腫瘍量の多い患者では、 AAP+D+ADTはD+ADTと比較してOSを改善する可能性があるが (HR, 0.72; 95% CI, 0.55-0.95 )、 AAP+ADT、 エンザルタミド (E) +ADT、 アパルタミド (APA) +ADTにおいてはOSの改善は見られなかった。

低腫瘍量の患者におけるOSの差

腫瘍量の低い患者では、 AAP+D+ADTは、 APA+ADT、 AAP+ADT、 E+ADT、 D+ADTと比較して、 OSが改善しなかった。

結論

3剤併用療法で観察される潜在的な利益は、 腫瘍量や臨床試験で使用された2剤併用療法の選択を慎重に考慮して解釈する必要がある。 これらの知見は、 3剤併用療法とAPI併用療法が等しいことを示唆し、 今後の臨床試験の方向性を示すものである。

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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